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【映像】アイデアがひらめく6つの行動とは?
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 新年度に向けて、新たな環境や仕事に取り組む機会も増える季節。新しい企画やアイデアを求められ、何時間考え続けても何も浮かばず行き詰まってしまう時もあるだろう。

【映像】アイデアがひらめく6つの行動とは?

 そんな時の解決法を脳科学者の篠原菊紀教授に聞いた。

━━アイデアが出ずに何時間も考え続けて行き詰まったとき、脳はどのような状態なのか?

「考え始めや、考える材料があって考えている最中は、おでこの辺りの前頭前野を中心とする『実行制御系ネットワーク』が活性化している。ここは、何か課題を解こうとするときに活動するネットワークだ。しかし、ここが活性化している時間は案外に短く、考えの種が尽きたような時には既に前頭前野の活動は沈静化している。俗に言う『下手な考え休むに似たり』というような状態が行き詰まった時の脳の状態だ」

━━沈静化してしまった状況を打開するコツはあるのか?

「考えを詰めても糸口が見つからない時には、脳の『デフォルト・モード・ネットワーク』を働かせることが有効だと考えられている。これはぼんやりしている時、あるいは安静時に働くネットワークだが、例えば昔の記憶や経験、情報、体験などを回想させてくれる。これはマインドワンダリング(心の放浪)などとも言うが、このネットワークの働きによって、意識的には気づくことができなかった繋がりを見つけ出したりすることができる」

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━━どうすればデフォルト・モード・ネットワークの状態にできのか?

「簡単に言うと『ぼんやりする』ことでデフォルト・モードに入る。散歩やトイレ、水回りの掃除、料理、入浴、さらには音楽を聴いたり、まばたきするだけでもある程度デフォルトモードに入るという報告があるし、、ある程度疲れた方がよいという報告もある。そのためある意味、詰めて疲れた時もデフォルト・モードに入るチャンスだ」

「例えば計算課題をやる時。安静の状態から計算課題をやると、前頭前野は活性化するが、デフォルト・モード・ネットワークは安静時より下がってしまう。実は安静にしている時にも脳は7割程度活動している」

━━休んでいる時に活性化するとなると、歩き回ったりするのは一見すると真逆の行動のようだが、なぜ散歩が有効なのか?

「散歩や、トイレなど、ルーティンをこなしている時の脳活動を調べると、実は前頭前野は沈静化している状態にあり、ひらめきが起きやすくなっている。トイレに立って歩いていくだけでも切り替えになるし、便座に座っている時などもデフォルトモードに入りやすい。掃除も同じ動作の反復が同様の効果をうみやすい行動だ。、そして、料理については複雑な料理に取り組んでいる時は実行制御系が働くが、手慣れた料理や、リズムよく野菜を切っている時などはルーティン化してデフォルトモードに入りやすくなる。

━━散歩中に様々な空想にふけってしまい、アイデアが浮かんでいる気がしないという人は?

「空想に浸ること自体がマインドワンダリングなので、その時に思いもよらないつながりが見つかりやすくなる。むしろ、ぼんやり上手といえる。デフォルトモードに入りさえすれば必ずアイデアが浮かぶというわけではないが、ひらめいている状態を見るとデフォルトモードが働いている場合が多い。その確率を上げるという意味では空想にふけることも良いと思う」

━━音楽を聴きながらなど、デフォルト・モード・ネットワークに入りやすい環境はるのか?

「音楽も、無心に聴けるような曲を流しながらひらめきテストを受けると成績が向上する傾向があるが、歌詞を理解しようとしながらなど、頭を使うような音楽の場合は難しくなる。ただし、その人にとってどういう音楽かという個人差があり、例えばハードロックを普段からずっと聴いていて、聴きながら寝られるような人はハードロックでも脳が沈静化している。平均的に言うと、あまり刺激がない、いわゆるリラックスできる環境の方が望ましいといわれるが、アクティブリラックスといって、何かをしている最中に脳が休まる、ということは起きやすく、ルーティンワークには基本的にそういう働きがある」

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━━デフォルト・モード・ネットワークに入れば誰でも良いアイデアが浮かぶようになるのか?

「ひらめきには素材・材料が必要であり、上から降ってくるわけではない。結局、ひらめきとは、意識の側が気づいていない脳の中の情報同士の繋がりを見つけることだ。そのためには必要な情報が脳に入っていなくてはならず、目的意識を持っている必要がある。もう1つ大事なのは、つい自分の脳のひらめきの力を伸ばそうとしてしまいがちだが、1つの脳だとそこでネットワークが完結してしまう。人と話している間には情報ネットワークになっていて、どうやって人とのつながりや情報の入り方を作っていくか。ひらめきは、情報と目的があれば、集団の脳の中で確率的に起きるに過ぎない。その状況をどうやって担保していくかを意識し、その確率をどう上げるかを考えていくことが有効だ」

━━人間の脳に情報キャパシティの限界はあるのか? 

「基本的に多くの情報を入れられるが、実行制御系ネットワークを働かせているような時には、使えている情報の数に制限がある。例えるならば『脳のメモ帳』のようなものだ。あの事、その事、この事くらい、大体3枚ほどのメモしか使えない。脳の中にはあっても、実際に考える時に、俎上に上がってくるものに制限がある。だからこそ、ぼんやりしてマインドワンダリングさせて繋がりを見つけることも必要になってくるのだ」
(『ABEMAヒルズ』より)

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