将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦七番勝負が4月10日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開幕した。初防衛を目指す藤井名人と対するのは、5期ぶりの名人復位を狙う豊島九段。タイトル戦で5度目の激突となる両者による本シリーズでは、どのような名場面が生まれるのか。振り駒の結果、第1局の先手は藤井名人に決まった。
【映像】藤井名人VS豊島九段 注目の名人戦第1局(生中継中)
藤井名人は、2016年10月に四段昇段。第36期竜王(1組以上:3期)、第81期名人(A級以上:2期)。2023年は、史上初の全八冠の独占を達成するなど例年以上に飛躍の年となり、将棋大賞で4年連続4度目の「最優秀棋士賞」に輝いた。また、年度成績は46勝8敗で.852となり勝率一位賞も獲得。他の追随を許さない圧倒的なパフォーマンスを披露している。前期は渡辺明名人(当時)に挑戦し、4勝1敗で21歳2カ月の歴代最年少名人に就位。八冠保持者として迎える今期は、初防衛・連覇を目指す。
豊島九段は、2007年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:10期)、順位戦A級以上が7期。タイトルは竜王2期、名人1期など計6期で、棋戦優勝は5回。2019年度の第77期名人戦に初挑戦し、佐藤天彦名人に4連勝を飾り初戴冠を果たした。翌年、渡辺明三冠(肩書はいずれも当時)に2勝4敗れ失冠。今期の順位戦A級リーグでは7勝2敗でトップの成績を残し、藤井名人への挑戦権を獲得。本シリーズを制し、5期ぶりの名人復位を目標に掲げる。
両者は竜王戦七番勝負、2度の王位戦七番勝負、叡王戦五番勝負の4期のタイトル戦を含めこれまでに33局で対戦。藤井名人が22勝11敗と大きく勝ち越している。しかし、藤井名人にとって豊島九段は全棋士の中で最も黒星を喫している相手でもあり、厳しい戦いとなることは必至だ。直近の対戦は昨年8月の第71期王座戦挑戦者決定戦で、藤井名人が制したこの一戦は2023年度将棋大賞の名局賞にも選ばれた。名局メーカーとして知られる両者が、このシリーズではどのような戦いを繰り広げるのか、開幕局から期待は高まるばかりだ。
持ち時間は各9時間の2日制。振り駒の結果、先手は藤井名人に決まった。第2局以降は先手・後手が交互に入れ替わる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)