大会最終回でも、この仲良し師弟は注目の的だった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」決勝戦、関東B 対 中部が4月13日に放送された。藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)は、チーム中部のエースとして活躍。監督で師匠の杉本昌隆八段(55)から「大いに期待しています!」と熱い声援が送られたものの、当の本人は苦笑いの後、“スーン”。安定の塩対応は、ファンの爆笑をさらっていた。
チーム中部は、予選から登場の度に藤井竜王・名人がその圧巻の勝ちっぷりを披露。勝てば連投のルールを駆使してチームの勝利をけん引していた。両軍ともに優勝候補と目されていた関東Bとの決勝戦では、初戦で中部の服部慎一郎六段(24)が白星を挙げたものの、第2局では関東B・永瀬拓矢八段(31)が勝利。中部の二番手として登板した藤井竜王・名人が第3、4局で連勝を飾り、3勝1敗で第5局を迎えていた。
藤井竜王・名人と森内俊之九段(53)の激突となった第5局。作戦会議ではチームメイトの豊島将之九段(33)が「(森内九段は)何でも指しこなせる相手ですよね」と声をかけると、藤井竜王・名人は、「フィッシャールールで対戦したことはほとんどないですが、このルールでもやはり手厚い受けは健在という印象です。それに対してどう立ち向かっていくのかという将棋になると思います」と警戒心を寄せていた。
ここまで2連勝と勢いに乗った藤井竜王・名人とあり、監督の杉本八段の期待は高まるばかり。その空気を感じ取った藤井竜王・名人は「あまり期待せずに見て頂いた方がいいかなと思っています」と苦笑いを浮かべていた。それでも監督は満面の笑顔で「大いに期待しています!」。師匠の熱烈応援を受けた藤井竜王・名人は『スーン…』と塩対応の“ソル太”状態となっていた。
師匠にだけ見せる“塩”モードに、ファンは爆笑。「プレッシャーかける監督」「ししょ~そーゆーとこやぞ」「無表情ww」「すーん」「顔www」と多くのコメントが寄せられていた。師匠の熱烈応援が届いたか、藤井竜王・名人は圧巻の勝負術を見せつけ快勝。ここでもチームに大きな勝利を持ち帰った。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)