政治資金規正法の改正をめぐり、議員本人の責任を厳格化することなどを盛り込んだ自民党の独自案が23日、ようやくまとまった。
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ただ、その遅さに与党・公明党からも追及を受けた岸田総理は22日、「取りまとめ次第、与党としての考え方をこの国会の議論に供し、今国会において間違いなく政治資金規正法の成立に向けて作業を進めていきたい」と述べていた。
なぜ改正案の取りまとめは遅れたのか? 連座制の導入など対策に効果は見込めるのか? 日本大学危機管理学部教授/東京工業大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。
━━自民党の対応の遅さが指摘されているが、どう見ているか?
「説得力が全くない。与党は数の観点からも法律を通していく際に大きな責任を負っているのと同時に、疑惑の大元でもある。自民党から今後の方針が示されないということは『他人事』と捉えていると受け取られても仕方がない」
━━自民党は当初、「党としての案をまとめることは検討していない」としていたが、なぜなのか?
「『取りまとめるのが難しい』という実情があるようだ。自民党は疑惑の大元であり、いくつもの選挙が控える中でこの問題をなんとかしないと政治的に厳しいが、派閥によってこの問題に対する温度感が全く違う。旧安倍派(清和政策研究会)には大きな疑惑が向けられているが大派閥に厳しい処分を科すと禍根が残る。組織を取りまとめる難しさと、対外的に自民党の疑惑を払拭したいという思惑の中でうまく妥協点が見出せていない印象だ」
━━野党からも提案されている連座制(実行犯以外をその関係性を前提にして処罰する制度)の導入は再発防止につながるか?
「議員本人へのプレッシャーは当然高まるが『実効性』という観点では弱いと考えている。連座性が機能するためには、そもそも関係者が立件される必要があるが、これまで多くあった政治と金の疑惑に対して立件できた関係者の数は非常に少ない。現行規制では証拠が残りにくいからだが、ここを変えないと問題解決につながらない。連座制は“見せ玉的”だ」
━━政治と金の問題を解決するためには何が必要なのか?
「政治における金の流れをしっかりと透明化していくことが1番重要だ。党則改正などによる自主的なルールではなく、法律を通じて行うことが重要だ」
━━公明党の要綱案などの中で、気になるポイントはあるか?
「自民党も出している『外部の監査』は重要だが、どんな形で実行するかがポイントになる。また、公明党が提案している『収支報告書を議員が直接確認し、サインをさせる仕組み』は面白い。当然、見落としなどが生じる可能性もあるが相当の注意を怠ったというような場合に、議員本人にも責任が生じるため強いプレッシャーがかかる。大変現実的なやり方だ」
━━自民党は収支報告書に不記載があった場合、その金額を国庫に返納するという仕組みについても検討されているようだが。
「連座制と同じく根本的な問題解説には至らないのではないか。『妥当ではない、つまり不記載が明らかになった場合に返納』とのことだが、その立証が難しいからだ」
━━自民党のとりまとめ案は期待できそうか?
「現段階(『ABEMAヒルズ』放送の23日正午時点)で出てきていない時点であまり期待はできない。注目しているのは、連立を組んでいる公明党が強い関心を示し、この問題を解決すべくかなり突き上げていることだ。公明党からの突き上げにどの程度自民党が応えるかがポイントになる」
(『ABEMAヒルズ』より)
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