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【映像】「パソコンのキーボード作りたい」 秋葉原でワクワクが止まらない少年
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 「普段出会えない人と出会う、あるいは普段行けない場所に行ってみる。それを『きっかけプロジェクト』と呼んでいる」

【映像】「パソコンのキーボード作りたい」 秋葉原でワクワクが止まらない少年

 こう話すのは、株式会社コエルワの阿曽沼陽登代表。きっかけプロジェクトは、都市部に住んでいる子どもと、地方に住んでいる子どもの体験格差を解消しようと、2023年から始まったプロジェクトだ。

 「なかなかその(住んでいる)町では体験できないこと、会ってみたい人、について応援するための少額の奨学金を運営している」

 北海道の小規模な自治体を中心に教育事業を行ってきた阿曽沼代表。地方には都市部にない魅力が多くある一方、「新しい刺激を受ける場所や人の少なさ」や「まちの外に刺激を受けに行くハードルの高さ」など、「一歩目を踏み出す難しさ」という課題があったという。

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「東京の高校生が東京都内であるイベントや、会いたい人に会うための移動のコストと、札幌、新千歳空港から車で6時間かかる自治体の子たちが東京に行く時の移動のコストは圧倒的に差がある。そんな格差を埋めていくために、奨学金のような制度を作ることが重要だと考えた」

 こうして始まった、きっかけプロジェクト。応募し、選ばれた子どもには、やりたいことを実現するための資金として返済不要の5万円の奨学金が支給される。資金はプロジェクトに共感した人からのクラウドファンディングによる支援で賄うという。

 そして、プロジェクトに取り組む子どもたちには、「ローカルパートナー」と呼ばれる大人が寄り添う。

 「保護者の皆さんは一次産業に従事している方も多いので、なかなか時間を割けない。安全性を担保しながら外に行くサポートを行う仕組みも、地域の課題と向き合う中で必要な事業だ」(阿曽沼代表)

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 中学3年生の森太優さん(14歳)はきっかけプロジェクトを通じて東京でキーボードのパーツを購入し、自分でキーボードを作りたいという。太優さんは、札幌市から車で4時間ほどの場所にある美幌町で生まれ育った。農業や林業が盛んで、豊かな自然が魅力だ。

 「材料の調達は北海道内やネット購入では難しいのか?」という問いに太優さんは「ネットの情報だけでは信じられないというか、届いたときに後悔したくない。やっぱり触って体験した方がいい」と答えた。

 そんな太優さんは将来、機械系の仕事に就くのが夢だという。

 やりたいことを企画書にまとめ、動画にてピッチも行った太優さん。その熱意が伝わり、奨学金が支給されて東京に行けることに。有名なパソコンショップに行ってみたいという。

 「最初は不安で結構お金もかかっちゃうから、どうなんだろうなって思っていたが、行くとなったからには行ったほうが成長できると思う」

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 4月のある日、東京・秋葉原。同じくきっかけプロジェクトを通じてゲームの大会に参加するため訪れた伊美湊さん、ローカルパートナー・花田翔二郎さんと3人で北海道から東京へ、遠路はるばるやってきた。

 自分たちで立てたという2泊3日の予定。前日には、有名なパソコン機器メーカーのオフィスにも。最終日となったこの日は、お目当てのパソコンショップへ。

 「いやもうワクワクで、買えるなら、何か買っていきたい」

 心躍らせながら、いざ店内へ。待つこと1時間、袋を手に太優さんが出てきた。気に入ったものはあったのか?

 太優さんは「これを買った。これをたくさん使っていい所とか悪い所とかを探して行けたらなと思っている」と笑顔で話した。

 ローカルパートナーの花田さんは「一番大きいのは、自分の力で打開する局面をいっぱい味わえたこと。自分で力を発揮(打開)することが、すごく伸びた」と振り返る。

 移動の合間には、ほんの少し、東京を観光。とても、いい経験になったようだ。

 「ネットで見るのと実際触るのはやはり違うので、実際触ってみて感じた方がいい。将来の機械系の仕事に活かしていきたいのと、あとは都会に行った時に、次は迷わないようにするために、勉強できた」(太優さん)

 住む場所に関係なく、チャレンジできるチャンスがある。阿曽沼さんは今後、このきっかけプロジェクトを全国の子どもたちに届けていくことを目指している。

 「自分の好きと、それに対するちゃんとした準備があれば、実はいろんな人が応援してくれる。そんなことをこのプロジェクトの中で支援していきたい」
(『ABEMAヒルズ』より)

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