将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に豊島将之九段(34)が挑戦する第82期名人戦七番勝負第3局は5月8日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で1日目の対局を行い、先手の藤井名人が45手目を封じて指し掛けとした。あす9日午前9時頃に封じ手を開封し、対局が再開される。
初防衛を目指す藤井名人の2連勝で迎えた第3局“羽田対局”。注目の一戦は、後手の豊島九段の雁木に対し、藤井名人は急戦で仕掛ける戦いとなった。じっくりとした進行から、難解は中盤戦へ。攻めに出た藤井名人に対し、豊島九段は2時間超えの大長考に沈む場面もあった。
解説を務めた八代弥七段(30)は、「(豊島九段は)悩ましい選択肢を突きつけられている」とコメント。ABEMAの「SHOGI AI」もやや藤井名人に寄った数字を示しており、先手ペースでの進行に加えて、指し掛け時点で持ち時間に大きな差が付く展開となった。
午後6時30分に立会人の佐藤康光九段(54)が封じ手の定刻となったことを告げると、手番の藤井名人は小さく頷いたものの、お茶を一口含んでそのまま考慮。八代七段は「考えたい要素がたくさんある局面」と印象を語っていた。藤井名人は、約20分後に封じる意志を示して指し掛けとした。封じ手に投じた考慮時間は42分。
第3局2日目は、9日午前9時頃に再開が予定されている。激しい戦いが予想される2日目の展開から目が離せない。持ち時間は各9時間の2日制。
【封じ手時点での残り持ち時間】
藤井聡太名人 5時間53分(消費3時間7分)
豊島将之九段 3時間42分(消費5時間18分)
(ABEMA/将棋チャンネルより)