チームの初航海から海路の指揮を執り続ける船長は、やはり頼りになる。5月7日、プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2023-24」ファイナルシリーズの第2試合では、U-NEXT Piratesの小林剛(麻将連合)がアガリ3回、放銃0回の危なげないスタッツでトップを決めた。
第1試合はチームメイトの仲林圭(協会)が2着と健闘。この試合で4位から2位へ浮上した赤坂ドリブンズとは、依然として309.1ポイントと大差を付けているものの、油断は大敵だ。そんな中で迎えた当試合は起家からKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、EX風林火山・勝又健志(連盟)、小林の並びでスタート。東1局では、チームとしてのデイリーダブルを狙う園田が5200点をアガった。
「リスクを負わずに戦う」。本来、ファイナルシリーズにおけるチームの方針はそういったものだそうだが、東2局1本場、小林は「第1打に二万を切っていて、一万のシャンポンなら悪くないかな。9筒もそんなに悪い待ちじゃない」「巡目が早すぎて自分も相手も安全牌がない」「他からの出アガリを含めると良い勝負と思った」と、園田の3巡目リーチに応戦してリーチ・ツモ・赤2・裏ドラ3の跳満・1万2000点(+300点、供託2000点)を成就。「これは大き過ぎる!」と放送席を熱狂させた。
その後は地道に得点を重ねた園田に逆転を許したものの、南1局では發・ドラの2700点をアガってトップ目に。南3局でも満貫・8000点をアガった園田に抜かれたが、南4局ではリーチ・一盃口・裏ドラ2の満貫・1万2000点(供託1000点)を獲得して、そのまま試合会場をチームカラーに染めた。
「頼もし過ぎる裏ドラがいましたね」。試合後にインタビュアーが「船長の頼もし過ぎるトップですね」と賛辞を贈ると、小林は「『3000・6000(点)、ん?』って言っちゃいましたね。『倍満?いや、違うな』って。すみませんでした」と東2局1本場で点数申告に一瞬、戸惑ったことを謝罪。「攻め込まれたらすぐ降りるとか、危険牌を打たずに降りるとかっていうことを避ける。そのためには、ドラを早めに切る」などと、随所でドラを早切りした立ち回りに関しては、一部で「やりすぎっすね」と反省する場面もあった。
値千金のトップで、チームは2位の赤坂ドリブンズと365.8ポイント差だ。「さすがに大分、見えたと思っています」。小林は「10万点トップで、1半荘で200(ポイント)変わったこともありますし、油断はしないように」としつつ、「この後の4戦は、基本は手堅く行くんでしょうけど、決めに行くところとのバランスが非常に難しいと思います」コメント。「私個人的にもファイナルでトップを2回取れて、レギュラーでは大して役に立たなかったのが、ようやくチームの役に立ったかなと思います」と続けた。「優勝を目指して、ひとつもミスのないように、全力で頑張っていきたいと思います」。2度目の優勝へ向けて、視界は良好だ。
【第2試合結果】
1着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)4万2900点/+62.9
2着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)2万6200点/+6.2
3着 EX風林火山・勝又健志(連盟)2万点/▲20.0
4着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)1万900点/▲49.1
【5月14日終了時点での成績】
1位 U-NEXT Pirates +467.6(12/16)
2位 赤坂ドリブンズ +101.8(12/16)
3位 EX風林火山 +19.9(12/16)
4位 KADOKAWAサクラナイツ +3.7(12/16)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)