鈴鹿で繰り広げられたGRスープラ同士のバトルはまさかの結末を迎えた。ピット上での危険行為で痛恨のペナルティを受け、首位から4位に転落。タイトル争いにも影響する、あわや接触のシーンがレースを大きく左右した。
【映像】ピットストップであわや接触の瞬間
6月2日、鈴鹿サーキットで開催されたスーパーGT第3戦決勝。GT500クラスでは、ENEOS X PRIME(#14 GR Supra)とDeloitte(#37 TOM'S GR Supra)が壮絶な首位争いを繰り広げた。コンマ1秒を争う激戦のなか、14号車はピットアウトでやや焦ったか、あわや接触のタイミングで発進してしまった。
レースは61周目、首位を走る14号車を追走していた2位の37号車がピットイン。14号車は、同時にピットインはせず、好調なタイヤコンディションのままラップタイムを上げて差を広げる「オーバーカット」を狙う。
そして、63周目、思惑通りラップタイムを巻きながら2周を走行してピットイン。タイヤ交換と大嶋和也から福住仁嶺へのドライバー交代も順調に終え、あとはコースに戻るだけだったが、その矢先に悲劇が訪れた。
ファストレーン後方からSTANLEY(#100 CIVIC TYPE R-GT)が接近していたにもかかわらず、14号車が発進。100号車の咄嗟の反応で接触は回避できたものの、衝突を引き起こしかねない危険な状況となった。
14号車は、そのままコースに復帰し、変わらず順調な走りを見せていたが、68周目に衝撃が走った。63周目のピットロード上での危険な走行を「アンセーフリリース」と判断され、ドライブスルーペナルティが課された。
5周が経ったタイミングで下されたこの判定に実況のサッシャも「ドライブスルーペナルティ?うわー!トップ…」と驚きを隠せない。ファンも「ENEOSやっちまった」「黒判定か…」「トップのENEOSに…」「タイトル争いに大きく響く」とショックを受けていた。
ペナルティにより、14号車は首位から4位に転落。コンマ1秒で順位が大きく変わるレースにおいて、ピットストップで後続車両の通過を待つことは大きなロスに繋がる。まさにギリギリの選択を一瞬で迫られた結果だったと言えよう。
それでも14号車は諦めず、圧巻の走りを見せ続けて2位でフィニッシュ。優勝こそ逃したものの、ENEOS X PRIMEの意地と底力をファンに見せつけた。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)