マッチングアプリが主流となりつつある婚活市場。しかし、人の顔写真ばかり眺めることに疲れてしまったという人も…
そんな人たちの間でひそかに利用されているのが、SNSを利用した「X婚活」だ。これは、自分のプロフィール情報を「#X婚活」などのハッシュタグをつけて投稿するというもの。プロフィールにはアピールしたい点だけを書けばよく、顔写真を載せる必要はない。
書きたいことだけ書けるなら、ウソもあるのでは…そんな疑念を持たれそうなX婚活で見事ゴールインした夫婦のもとを訪ねた。
「(マッチング)アプリでうまくいかないことが多く、傷心状態に…。同じような心持ちの人と情報共有しつつ、自分の傷を癒すためにX婚活を始めた」
こう話すのは夫のぱんださん(36・仮名)。マッチングアプリでの婚活からX婚活に乗り換えたところ、X婚活ならではの良さに気付いたという。
「顔という一番大きい情報にとらわれず、あまり“決まり”がないなかで相手の日々のツイート(投稿)を見ながら人となりを知ることができた」
過去の投稿や他人とのやり取りから人物像がイメージできるため、人柄重視で相手を選べるという。
X婚活を始めて4カ月ほど経った頃、ぱんださんは気になる投稿を見つけた。それが妻となるおこめさん(28・仮名)のポストであり、ぱんださんは「裏表がない、素直で朗らかな人」だと感じたという。
とはいえ、おこめさんにリプライを送ってみたものの、1対1で会うまでは至らなかった。そんな中、X婚活中の人たちが集まるオフ会に参加したぱんださん。そこにはおこめさんの姿が…
「話をしていくうちに、とてもリスペクトでき、魅力的な女性だと感じた」(ぱんださん)
リアルの世界で初めて見たおこめさんは、Xでの印象そのままの女性だった。ここでぱんださんの婚活魂に火が付く。2度目に会ったのは、X婚活仲間たちとのキャンプだったのだが、ぱんださんが忘れ物をしたため、終電まで2人で過ごしたのだという。
だが実はこの“忘れ物”はぱんださんの作戦。結果的にこれが功を奏し、おこめさんの気持ちに変化が…。
なんと、一緒に過ごした時間が楽しかったことで、ぱんださんを恋愛対象として意識するように。このチャンスを逃すまいと、ぱんださんは積極的にデートに誘う。10日間のうちに4回も会い、告白を経て付き合うことに。
その後、1年半の交際期間を経て、今年4月に結婚した二人。そこに至れたのは、X婚活ならではのメリットがあったからだという。
「良かったことの一つは、女性の友だちがたくさんできたこと。仲良くなった方々からのアドバイスや、共通の友人を通して夫との関係を深めることもできた」(おこめさん)
「同じような心境で頑張っている仲間と繋がれたことは、とても貴重な機会だった。婚活という共通言語をもとに同じような気持ちを抱えている戦友たちと巡り会えた」(ぱんださん)
励ましたり応援してくれる人たちの存在、仲間と婚活できることがX婚活の強みかもしれない。
「夫と妻が知り合ったきっかけ」に関する調査で「ネットで」と回答したのは13.6%であり、増加傾向にある(国立社会保障・人口問題研究所調べ出生動向基本調査 2021年)。
アプリによる恋愛・結婚について精神科医の木村好珠氏は「一般的なアプリ婚は“いいね”の数や連絡をもらえるかなど、婚活市場における自分の価値が絶えず視覚化されるうえ、そもそものアプリの目的がお付き合いしたり結婚するという100か0かというシビアなもの。しかも、過程においても相手に会えるかどうかで評価されて疲れ、実際に会えたとしても“婚活用の自分たち”を脱ぎ捨てた“実際の自分たち”の相性が合うかは分からないためにまた疲れてしまう」と分析した。
X婚については「一方のX婚は、日常のツイートを通して普段の人柄も見えやすい。婚活アプリのプロフィールに『趣味:料理・読書』と書かれていても確かめようがないが、Xの投稿を見ればどの程度のめり込んでいるかも分かりやすい。また、Xでもポストに対する“いいね”はあるものの、その数=自分の評価ではない。そのため、自然に自分を出しながら、相手の様子も見ながら楽な気持ちで婚活を続けられるのでは」と述べた。
X婚活では「後から顔を知る」ことになるがデメリットはないのだろうか?
これに対し、木村氏は「むしろX婚活のメリットだ」と指摘する。
「婚活アプリだと『まず顔』であり、最初に顔の印象からこの人良い・悪いと選ぶことになるが、X婚活ではその前に人柄や性格がわかるため、“顔に対する許容範囲”が広がる。短い期間付き合うのではなく、真剣に婚活をしたい方にとって“中身”は非常に大切であり、内面を知ってから改めて顔を知る方が重要な部分もしっかり見えるはずだ」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側
本記事は自動文字起こしツールや生成AIを利用していますが、編集部の確認を経て公開しています。