今年も各チームで様々なスター選手たちが活躍し、盛り上がりを見せているNPB・MLB。そうしたスター選手たちでも、チャンスで凡退したりエラーといった事態となると、やはりどこか寂しげな姿となるもの。しかし古今東西の一流選手たちの中には、その凡退シーンでさえも華々しく見えるスター選手たちがいることもまた事実。そんな“凡退が美しい選手”について、元・MLBの川﨑宗則氏が言及した。
6月16日に放送された『ABEMAスポーツタイム』では、川﨑氏が様々なタイプの“怪物No.1選手”をそのジャンルごとに挙げるというコーナーが設けられた。その中で“凡退が美しい選手”というテーマになると、川﨑氏は現・北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督の名を挙げた。
川﨑氏は、新庄監督の現役時代に体験した試合でのひとコマを振り返る形で、「新庄剛志さんのセンターフライ。僕はショート守ってたんでセンターを追います。新庄さんはすごく香水をつけてるんです。香水ムンムン。新庄さんがパーッと通ったら、匂いがプーンって野球場にするんですね。野球選手といえば汗臭くささがナンボですよ。そこが違います。剛志さん、新庄さんは香水の良い匂いなんですよ」と、新庄監督は現役時代、試合に臨む際にも香水を身にまとっていたエピソードを明かした。
さらに、プレー中に新庄監督に近づく場面があると、周囲に香水の匂いがたちこめるという話を語った上で、「センターフライ上がって、アウトなんですよ。普通だったらバッターは打ってもちょっと軽く走るんですけど、そこに僕、センターからボールをもらおうとしたときに、ホワッと新庄さんの匂いがホワッっとしたんです。パッと見たら、新庄さんが綺麗に走ってきたんです。アウトなのに。美しく、グワっーと走ってきたんです」と、新庄監督が凡打となった際に、美しいフォームでベースランニングをする姿が目に入り、それが香水の匂いもあいまって独特な“かっこよさ”を生んでいたと語った。
こうした体験を現場でした川﨑氏は、「そういうのを見ると、かっこいいんですよ。選手たち、日本ハムの当時の選手たちみんなそれを真似するんですね。香水もほぼ真似しましたね」とほほえましいエピソードを紹介。
「要するにチームとして1つ1つのミスじゃなく、ミスでもポジティブに捉えていくことで、チームの士気もグッと上がって、日本ハム、そのまま日本一になりました」と、こうした新庄監督の“スタイル”がチームに浸透したことが良い効果を生み、日本シリーズ優勝へと繋がったのではないかと指摘。
そして「だからこそいいことばかりじゃない、失敗したとき、どういう立ち居振る舞いをするかというのも大事なプレーだから、それが新庄剛志さんはできてたっていうことです」と、一流アスリートならではの“失敗したときの立ち居振る舞いの美学”について、新庄監督を例に語ることとなった。
(ABEMA『ABEMAスポーツタイム』)