「今日大丈夫かなと心配になった瞬間に(症状が)よく出る。友だちに伝えても気持ちを共有できなくて…」
【映像】古田敦也氏「僕もサインを出せない“指イップス”になった」「野村監督も怒ってた」
こう話すのは、10年ほど前から“ある症状”に悩まされているという昼寝さん(仮名)。その症状とは…
「階段を上り下りしている時に、どっちの足を出していいか分からなくなって、途中で動けなくなることがある。『人が来て邪魔になったらどうしよう』と焦ると、余計に分からなくなって…」
階段の下り方が分からなくなる。その症状を昼寝さんは“階段イップス”と呼んでいる。
通勤中に駅の階段で立ち止まってしまい、遅刻しそうになったこともあると話す昼寝さん。ネット上では彼女のような「階段イップス」に関する悩みが数多く見られる。「階段を上るときは平気だが、下りるときに右と左のどっちの足をどこに着地すればいいかわからなくなる」といった声も。
スポーツの現場で耳にすることが多い「イップス」だが、そもそもどのような状態を指すのか?
山王病院の脳神経外科部長でスポーツ心理学についても研究している高橋浩一医師は「分からないこともいまだ多くある」とした上で…
「イップスは『精神集中の際に起こるけいれんや震え』と定義されている。具体的には、緊張しすぎて震えてゴルフの簡単なパットが決まらなくなったり、野球でボールがとんでもない方向に行ってしまうような症状を指す」
また、イップスには脳の仕組みが関わっているのではないかと話す。
「神経学的には『生きるために必要な、何も考えずに行動するような部分にトラウマとして傷がついて残ってしまう状況』。大脳の部分が『冷静になれ』『大丈夫だ』と言っても、本能の部分まではコントロールできず、それがイップスに繋がると思われる」
さらに、「ドラムやピアノの演奏で腕や指が動かなくなる」など、イップスはスポーツの分野以外でも見られるという。
“階段イップス”と呼ばれている症状について尋ねると…
「私自身、直接は存じ上げないが、ある行動に対する不安や恐怖が強くなって起こることを広い意味でイップスと言うのであれば、“階段イップス”という現象もあり得るだろう。イップスと捉えるかあるいは恐怖症と捉えるかということになる」
イップスの治療法について、いまだ確立はしていないと話す高橋医師。その上で、イップスに陥った選手をサポートする際にはリラックスした状態での練習や簡単な動作から慣らすこと、呼吸法や香りで気分を高めるなどの行動療法を実践している。
では、階段イップスを克服するためにできることは?
「スポーツでは、簡単なところから段階を踏ませて治療する。階段イップスも階段の2段目から下りるなど簡単なところから難易度を上げていくのも一つの方法だと思う」
また、「イップスをネガティブに捉えすぎない」ことも重要だと高橋医師は話す。
「コンプレックスと考えるのではなく『自分には仕事や家族、趣味がある』などそちらを見つめ、笑い飛ばすくらいの気持ちが良いかもしれない。イップスは明日治るという簡単なものではなく、時間がかかることを理解することが大切だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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