【写真・画像】『あっぱれ』人気子役から一時ホームレスに… 「人生が狂った」中武佳奈子さんに聞く当時の生活 「普通を知らずに“キラキラ”を取りにいってはいけない」 1枚目
【映像】中武さん“子役”当時の写真&作品の数々
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「『サインください』『写真撮ってください』と、どこの駅にいても声をかけられるようになった時に“あ、知られてるんだな”みたいな」

 こう話すのは、大人気番組『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)の第1期生、「かなちゃん」の愛称で人気だった、元人気子役の中武佳奈子さん。当時はドラマやCMにも引っ張りだこで、CDや写真集も発売。順風満帆の芸能生活を歩んでいたはずだった。しかし……。

【映像】中武さん“子役”当時の写真&作品の数々

「夏は公園のベンチで横になって寝ていた。実質、家がない状態というか。こういう木にとまってるセミとか、アリも食べられるので」

 人気子役が一転、ホームレスに。「確実に人生が狂った」という背景に何があったのか。『ABEMA Prime』で話を聞いた。

■「どこに行ってもチヤホヤされる自分」に天狗に

 中武さんが芸能界入りしたのは4歳の時、姉の提案で芸能事務所に応募して合格したこと。6歳でドラマのエキストラとして子役デビューすると、『あっぱれさんま大先生』にレギュラーとして14歳まで出演が続いた。20〜23歳の時には『世界ウルルン滞在記』(TBS系)にも出演した。

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 10〜12歳のころは、ドラマ・CMの撮影が重なり学校に通う時間もなかった。テレビ局での出待ちやサイン・写真撮影などを求められ、「どこに行っても褒められ、チヤホヤされる自分」に天狗になっていたという。そんな中、親は“ステージママ”化し、売れていることが絶対に。毛皮や大きなダイヤを購入、車は2年で新車に変わっていた。

「家が大きくなったり、ダイヤモンドがあったり。車は2年で変わっていたので、車検の更新があるということを知らなかった。私自身は何かよくわかっていなかったが、親はキラキラしていった」

 変化が訪れたのは、仕事が減っていった頃。

「人気商売なので、ある時を境に仕事がなくなった。ただ、小さい頃から売れている自分しか見ていないので、その現実を受け入れられない。子役は“こうあるべきだ”“こうでなくてはいけない”といった方向性がある程度決まっているのだが、自我が芽生えてきた時に違いがあった。結婚を理由に、逃げるように芸能界を辞めた」

■履歴書に書ける内容がない…「面接に行くと“犯罪者なのではないか”と」

 28歳で結婚、芸能界を引退して専業主婦に。しかし、その後離婚することになる。仕事を探すが、履歴書に職歴が書けないため就職先が見つからず、アルバイトを掛け持ちしても収入は低かった。

「売れなかったこと、芸能界を辞めたことを恥と捉えていたので、一切言わなかった。履歴書も空白なので、面接に行くと“この人は犯罪者なのではないか”と思われる。バイトも掛け持ちするのだが、それぞれ時間は短いからお金にはなっていない。お金の計算ができていないし、どう生活したら効率が良いかもわかっていなかった。それは、今まで全部やってくれる人がいたから。常識を知らなさすぎた」

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 家賃・光熱費を滞納することもあり、一時はホームレス状態に。電気はろうそく、水道は公園の水、食事は廃棄の弁当や雑草、昆虫まで食べてしのいでいた。「子役をやっていなければ違う家族の形があったのではないか」と振り返る。

「芸能界が駄目になり、お金を生めなくなって、親との縁は切れた。“あの子のママだよね”“普通に子育てもしていてすごいよね”と、親も親ですごくチヤホヤされていて、現実を受け入れられなかったのだろう。水道やガスが止まった時は一番しんどかった。後悔しているのは、子役をやったことよりは、“どうしてこんな人生を歩んでしまったのだろう”というものだ」

■あっぱれの同窓会、明石家さんまの"言葉”がきっかけに

 現在はアルバイト生活をしながら、YouTubeで日常を発信している。

「実は2023年、あっぱれの27年ぶりの同窓会があった。そこでさんまさんから『YouTubeやってみたら?』『良いもの持っているんだから』と。YouTubeをやってみると、ファンの方がいまだにいたということに気づいた。自分の苦労を話すと、今しんどい方もいらっしゃって、『励まされる』と言ってくれる。“人生捨てたものではないのかな”とは思う」

 そうした経験から伝えたいのは、「普通を知ること」だという。

「今はSNSもあり、発信の場が多くある。芸能界に限らず、キラキラした場にいると、“平凡がつまらない”ということが出てくる。しかし、普通というものを知った上で、というのが大事。下を知らない限り、キラキラは取りにいってはいけないと思う。子役の場合は一生ではないし、“今しかない”と教えてくれる周りの環境が絶対に必要。子どもは勘違いして、それが当たり前だと思って生きていってしまう」

(『ABEMA Prime』より)

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