「今年は、最難関校や準難関校といった偏差値が高い学校が横ばいか微減だった一方、中堅上位校から中堅下位校までのほとんどが志願者・入学者を増やしている」
「受験の山場」とも言われる夏を目前に控え、こう話すのは中学受験の動向に詳しい首都圏模試センターの北一成さんだ。
志望校に起こっている変化の要因として、北さんは「グローバル教育やSTEAM教育(理系+アート)に力を入れている学校への人気の高まり」を挙げた。
これまでのような難関校を目指す志向だけでなく、グローバルな教育や将来的なキャリア積み重ねに役立つ理系教育に力を入れる学校の人気が高まっている。
しかし、第一志望校への合格率は3割程度だという。これには「中学受験は本人と保護者が受けたい学校にチャレンジでき、模試の偏差値よりも高い学校に挑戦できる」「志望校に落ちたとしても公立に進学できる」という事情がある。
受験の合否について北さんは「経験として全校合格で中学受験を終えるのは喜ばしいが、個人的には1・2校落ちて課題を見つけた方が、その後の成長にプラスになるのでは」と語る。
とはいえ、子どもも親も熱が入り、早くから子どもに中学受験の準備をさせてしまうのは逆効果だという。
「早い段階で燃え尽きてしまう子どもが多く、4・5年生になって本格化する前に受験をやめてしまう子も…。『早くからの塾通いをしなければ中学受験はできない』という考え方は避けた方が良く、個人的には5年生からでも間に合うと感じている」
子どもと親の二人三脚で挑む中学受験。受かっても落ちても、チャレンジした学びが次の成長につながる。
「中学受験を通して学んだことは、その先の中高や大学での学習の下地になる。親も重要な役割を持っており、6年後や10年後に中学受験をして良かったねと親子で思い出話にできるようになるといい」
首都圏中学入試の受験者推移を見ると、10年前と比べておよそ1万人増えて、5万2400人となっており、首都圏模試センターによると、2024年は小学生のおよそ4.7人に1人が受験したという。
現在の中学受験について、Schooエバンジェリストの滝川麻衣子氏は「今、偏差値教育を信じている親はそんなにいない。情報交換を積極的に行いながら『詰め込み型は効果が薄いのでは』『このままではグローバルについていけないのでは』などと現実を見つめている」「学校側もそんな親のニーズを汲み取り、個性を伸ばす教育、エッジの立った教育をアピールしており、選ぶ基準が多様化している」と説明。
その上で、中学受験に臨む親のスタンスについて「受験にはお金がかかるが『費用対効果』を考えるのはNGであり、まして『これだけお金かかったのに』などとは絶対に子どもに言ってはいけない。また、もし不合格だったとしても、それも含めて『親子で体験を得た』と置き換えてほしい。中学受験は子どもの自己肯定感を支える貴重な経験の一つにもなり得るのだ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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