佐藤氏が火葬業界の事情を解説する。東京の火葬場には、特殊な成り立ちがあった。もともとは寺などに小さい火葬場が置かれていたが、臭いや煙が問題視され、明治期に当時の最新型火葬炉として、東京博善の前身となる民間の「日暮里火葬場」が生まれた。「その頃は公営よりも安かったが、この思想はオーナーチェンジで失われてしまった」。

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 かつては「公営も民営も4~6万円台で推移」していた。現在も、公営の臨海斎場は4万4000円、瑞江葬儀所は5万9600円だ。「もしコストが上がれば、公営だって上げなくてはならなくなる」とした。

 東京博善は現在、ラオックス系列の広済堂ホールディングスグループの1つだが、かつては古くからの少数株主が存在した。しかし少数株主を追い出し、100%子会社とした所から、方針が転換される。「来月から7万5000円に値上げすると言われた。独占でやっている殿様商売だ」。

 火葬場の休憩室は、フリードリンクの飲み放題となっているそうだ。「火葬場に酒ガバガバ飲みに行く人はいないが、その分も上乗せされている。お菓子も300円のピーナッツなど、1テーブル1000円程度で格好が付いたが、今は500円以上のメニューしかない。800円のクラフトビールもある。お金が大好きで、困った状況だ」と説明。

 公営火葬場への影響はあるのか。「公営は赤字でやってきたが、民間に合わせて動いている。立川市は無料、横浜市は1万2000円だが、予算が厳しくなれば『民間がこれくらいなんだから』という理屈を使わざるを得なくなる」とした。

 では、民営を使わず、公営を選べばいいのだろうか。「お葬式の主役は亡くなった方、そして高齢者を立てなければいけない。(東京博善が運営する)代々幡斎場の周辺から、臨海斎場や瑞江葬儀所へ行くと、片道1~2時間、往復で倍かかる。そこそこ近いところに行くしかない。選択はできるが、独占・寡占状態にあるため、東京博善は考えるべきだ」と警鐘を鳴らした。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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