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 「絶望。これがなかったら寝られないし、どうしようかと家族会議をしたくらい絶望だった」

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 しほさんは、5歳になる娘・すみれちゃんを育てている。すみれちゃんがいつも持っているのは、小さなネコの枕・通称「にゃんにゃん」。

 「寝るときはもちろん、家の中でもどこかにお出かけに行くときでも、自分用の小さいポーチに無理やり詰め込んで持っていくくらい、ないといけない存在。今より小さかったときは、(枕が)汚れて洗濯して干すと窓に張りついて『早くとってくれー!』と泣いていた」(しほさん、以下同)

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 もともとは新生児用の枕だった「にゃんにゃん」。すみれちゃんが生まれてすぐの時から使っていたが、5歳になった今でも、片時も手放せない大切な宝物。だが、白いタオル生地でできているため、連れ回せばもちろん汚れてボロボロに…。しほさんはこれまで、20個以上の「にゃんにゃん」を購入したという。

 「寝かしつけも『にゃんにゃん』を渡せばすりすりしながら勝手に寝てくれたし、クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントは何がいい? と聞くと、『そんなのにゃんにゃんに決まってるやん!』というくらい好き」

 こんなにも愛されていた「にゃんにゃん」。しかし別れの時は突然訪れた。

 「買い換えようとしたら、販売店から『廃盤になっている』と聞いて…。ストックで何とか回していたが、それもボロボロになってしまって」

 二度と新しいにゃんにゃんには会えない…。ボロボロになった「にゃんにゃん」を前に絶望したしほさん。藁にもすがる思いで販売店の問い合わせフォームに在庫がないか問い合わせると、予想もしない答えが返ってきた。

 「(枕の)生地が少し余っているので、その生地でよかったらお作りさせていただけないかと。そして、あっという間に綺麗なピカピカの枕が届いて」

 なんと廃盤になった商品を販売していた子供用品店がすみれちゃんのために作ってくれたのだ! 後日、しほさんのもとには、ピカピカの「にゃんにゃん」が2つ届いた。

 「久々のピカピカの状態の『にゃんにゃん』を見て驚いていた。袋に包んでくれていたので(すみれちゃんは)『早く開けて触らせて!』と言っていたが、この二個で最後なので、まだ開けていない。(これまでの『にゃんにゃん』は)一つの袋に保管しているので、彼女が成人したときに、まとめてプレゼントしようと思う」

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 明星大学心理学部教授で臨床心理士/公認心理師の藤井靖氏は企業の“神対応”について「個人店ならまだしも、企業が大きくなればなるほど“特別な対応”は難しくなる。なぜなら、社会全体が不寛容な中で特別な対応をしてしまうと、顧客に対する対応のばらつきが生じるリスクがあり、カスハラだって気になるはずだ。だから企業の対応は“安全な方”にいきがちなのだ。そんな中、『できることをやってあげたい』という“中の人”の心の現れとでもいうべき今回の対応は本当に素晴らしい」と絶賛した。

 幼い子どもは毛布やぬいぐるみなどを片時も離すことなく持ち歩く傾向にあるが、どのような心理がそうさせるのか?

 藤井氏は「人は生まれると母親や父親などと出会うが、実はその時『お母さんと自分は同じ人間』と認識している。ここから発達の過程でだんだんと『自分とお母さんは違う存在なんだ』とわかってくるのだが、そのいい意味で独立していく過程で“間のもの”が必要になり、それが心理学では『移行対象』と呼ばれるものだ。そのため、毛布やぬいぐるみなどに甘えながら、心を寄せながら独立していく」と説明した。

 とはいえ、衛生面などで気にかかる場面もある。親はどのように対応すべきか?

 藤井氏は「子どもは口や鼻に当てるため汚れてしまうが、バランスを見ながら、基本的には成長を見守ってほしい」とアドバイスした。
(『ABEMAヒルズ』より)

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