あの“衝撃”が蘇った。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Cリーグ第3試合、チーム豊島 対 チーム天彦の模様が7月20日に放送された。第3局では、チーム天彦の山本博志五段（27）が、敵将の豊島将之九段（34）に勝利。第2試合で藤井聡太竜王・名人（王位、王座、棋王、王将、棋聖、22）と羽生善治九段（53）を相手に、同日に両者を下す“ダブル大金星”に続き、竜王・名人経験者の超トップ棋士をも打ち破りファンを大興奮させた。
このフィッシャー適性は棋界トップランカーといっても過言ではない。チーム天彦2連勝で迎えた第3局では、“開幕投手”を務めた山本五段が2度目の登板。「全く指したことがなく、指したい」とチーム豊島のリーダー・豊島九段との対戦に向かった。豊島九段と言えばタイトル通算6期獲得、2019年度には史上4人目で令和初の“竜王・名人”と最強称号を獲得した現代将棋界のスーパースター。そんな相手にも、山本五段は気負わず「盤上没我で良い将棋を指したいし、勝ちたい」と意気込みを語った。
注目の一戦は、後手の山本五段が得意の三間飛車を志向。後手の穴熊に対して石田流に組み対抗した。序盤早々に相手に歩を獲られ豊島九段にペースを握られたかと思ったが、しっかり踏ん張り立て直すことに成功。攻め合いを選ぶと形勢を押し戻し、三間飛車に棋士人生をかけた山本五段が経験値で豊島九段を制してみせた。
この勝利に、チームメイトの佐藤天彦九段（36）、斎藤明日斗五段（26）も「神がかってる！」「驚きました！」と大興奮。視聴者からも「ヒロシかっけー！」「つよい」「すごすぎる」「つよしに改名！」「ひろし強すぎない？」「強すぎるやべーな」「すげえじゃんw」とコメントが殺到した。
山本五段と言えば、予選Cリーグ第2試合のチーム藤井戦でリーダーの藤井竜王・名人、さらにレジェンド・羽生九段から同日に白星を奪った“衝撃”が記憶にも新しい。さらに続く第3試合でも、敵将の超強豪・豊島九段から金星を奪う大活躍。チーム天彦は惜しくも予選敗退となったが、山本五段にとってはその存在感を強く印象付ける大躍進となった。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
