「35道府県が首都圏に県人寮を置いているが、そのうち18の道府県が男性専用の寮しか持っていない」
こう話すのは、女子学生の進学に関する問題に取り組むYourChoiceProjectの川崎莉音さん。県人寮での女子学生の受け入れ状況に関する調査を行い、今月発表した。
県人寮とは、育英会などが運営し、道府県出身で首都圏などに進学する学生らに提供している安価な寮のこと。県人寮の平均家賃はおよそ3万円となっている。
なぜ、県人寮で女子学生の受け入れが進んでいないのだろうか?
川崎さんが行った調査によると、「女子学生を受け入れるためには施設の建て替えやバストイレ設備などの整備が必要になるが、その費用を捻出できない」という理由が最も多かったという。
さらに川崎さんはこの調査の中で、ジェンダーバイアスを感じさせる出来事にも遭遇したという。
「『(そもそも)女子学生の需要はない』という、現状に則さない、因果関係を取り違えたような発言には驚かされた。『そこまで認識が進んでいないんだ』と」(川崎さん、以下同)
川崎さんによると、首都圏の大学に進学する割合を都道府県ごとで見ると男女比は6対4程度であり、女性にも需要はあるのだ。
ところが、女子学生を受け入れている県人寮の中でも“差”は存在する。女子学生の4倍近くの男子学生を受けれている自治体もあるというのだ。
川崎さんは、女子学生を受け入れてくれる県人寮があることで、進学先の選択肢が増える可能性があると考えている。
「県人寮という選択肢が一つあることで、女子学生にとってはすごく大きな後押しになる。出費以外の面でも、同じ地域出身の人というある種顔見知りのような人たちが身近にいる環境が確保できる点は親にとっても大きな安心材料になる」
川崎さんがこの調査結果を発表したのは女子学生の現状を知ってもらうためだ。
「受け入れられない寮には受け入れられないだけの理由や課題がある場合も多く、この点に対する議論が進んでほしい。費用面の課題は寮だけではどうしようもなく、例えば自治体や国に協力してもらうなど様々な方法がある。前向きに議論が進んでいくといい」
精神科医の木村好珠は県人寮における“男女差”について「資金の面もあるため今すぐ解決することは難しいが、このジェンダーギャップは埋めていかなければいけない」と指摘した上で県人寮の心理的な効果を説明した。
「入学のために地方から出てきたばかりだと、『頼れる人も友達もいない』というケースは少なくない。そんな時に、地元が一緒という共通点と話題をもつ人が近くにいれば、相談もしやすく心理的にも安心できるはずであり、送り出す家族の安心にもつながるはずだ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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