将棋日本シリーズJTプロ公式戦の1回戦第4局が7月27日、静岡市の「ツインメッセ静岡」で行われ、羽生善治九段(53)と佐々木大地七段(29)が対局を開始した。JT杯で過去5度の優勝経験を持つ“レジェンド”羽生九段と、初出場の佐々木七段が1回戦で激突。注目の一戦は、落雷による停電の影響で約1時間遅れでスタート。振り駒の結果、佐々木七段の先手番に決まった。
羽生九段は、1985年12月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:35期)、順位戦B級1組(A級以上:29期)。タイトルは歴代最多の99期を誇り「七冠独占」「永世七冠」など、数々の大記録を打ち立てた将棋界のスーパースターだ。棋戦優勝は通算46回で、内5回はJT杯。35年連続35回目の参戦となる今期は、どのような戦いを見せてくれるのか。日本将棋連盟会長がプレーヤーとして臨む今期初戦の戦いぶりに注目したい。
佐々木七段は、2016年4月に四段昇段。竜王戦3組、順位戦C級2組。2023年度は、棋聖戦でタイトル初挑戦するやいなや、王位戦でも七番勝負に進出。いずれもタイトル奪取には至らなかったが、その存在感を知らしめる飛躍の一年となった。JT杯は今回は初出場。2004年の「こども大会 福岡大会」で優勝を飾った日本シリーズにプロとして“凱旋”することに「棋士として出場できることをとても嬉しく思います」とコメントしていた。
両者の公式戦対戦はこれまでに6局あり、ともに3勝3敗。昨年5月に行われた王位戦挑戦者決定戦の大一番で、佐々木七段が羽生九段に勝利しタイトル挑戦を決めた一局は記憶にも新しい。公開対局で早指し戦を制するのは、経験を誇る羽生九段か、勢いに乗る佐々木七段か。本局の勝者は、9月21日に行われる2回戦北海道大会で藤井聡太JT杯覇者(22)と対戦する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。前年大会は藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖)が決勝戦で糸谷哲郎八段を破り2連覇を達成した。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)