将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)への挑戦者決定三番勝負第1局が7月29日に行われ、佐々木勇気八段(29)が広瀬章人八段(37)に89手で勝利した。佐々木八段は、自身初となるタイトル挑戦に一歩前進。三番勝負にあと1勝で藤井竜王との七番勝負に進出する。
念願の初タイトル挑戦へ、佐々木八段が好発進を遂げた。竜王経験者の広瀬九段との激突となった注目の挑決第1局は、振り駒で佐々木八段の先手に。角換わりの出だしから、後手の広瀬九段は速攻を目指した。攻め合いへと誘導した佐々木八段が鋭い指し回しでペースを掴むと、終盤で優位に立つことに成功。受けに回った広瀬九段を圧倒した。
苦境に立たされた広瀬九段も技を駆使して流れを引き戻そうとしたものの、佐々木八段は粘りを許さない。最終盤で一気に押し切って、大きな一勝を手にした。
勝利した佐々木七段は、「角換わりの中でも指してみたい形のひとつだったので、それが指せたことは良かった」とコメント。挑戦権を掛けて戦う次戦に向けて、「竜王戦では良い将棋が指せているので、この状態まま第2局を迎えることができたら」と気を引き締めていた。一方、敗れた広瀬八段は「日頃の研究不足がたたってしまった。本局は将棋にならなかったので、次はちゃんと将棋になるように頑張ります」と悔しそうな表情を見せた。
この結果、佐々木八段がタイトル挑戦へ一歩前進。あと1勝で藤井竜王との七番勝負対戦が決まる。一方、敗れた広瀬八段にとっても2期ぶりの竜王戦挑戦は譲れない。両者による三番勝負を制するのはどちらか。注目の戦いは続く。
(ABEMA/将棋チャンネルより)