8月18日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対日本ハムファイターズの一戦で、日本ハム・新庄剛志監督が披露した“奇策”ともいえる大胆な作戦が、野球ファンの間で話題となっている。
この試合、オリックスの先発マウンドに登ったのは、昨年、鮮烈なデビューを飾り、瞬く間に“怪童”として大ブレイクすることとなった山下舜平大。そんな山下といえば、力強い剛速球で相手を捻じ伏せるピッチングが持ち味といえるが、その対策として、新庄監督が号令をかけたのは、打者1人あたり9球粘る“奇策”ともいうべきもの。結果、2回表の攻撃で日本ハムは、2者連続の四球でチャンスを作ると、8番・田宮裕涼がバントで揺さぶりをかけて、これがまさかのセーフとなり、無死満塁に。この田宮がバットを出すまで、山下は35球を投げたものの、日本ハム打撃陣のスイングはたったの1回のみであった。この無死満塁の場面を機と見た新庄監督は、“通常モード”の攻撃にシフト。1番・淺間大基が放った犠牲フライで先制することに成功した。
ある意味、“新庄監督らしい”ユニークなこの作戦に、野球解説者の里崎智也氏は、8月23日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)に出演した際に、「ずっと振らなくて、仮に見逃し三振しても、怒られないっていうところが(選手からすれば作戦を)遂行しやすいですよね。(ベンチが)“しっかり見ていけよー!”と言って、(いざ三振すると)“なに三振してんのや!”と言われたら“えーっ”ってなるじゃないですか」とした上で、「そういったところが、新庄監督の一番の良さでもあるんじゃないですか。こうやっていこうとなったときに、それを指示通りやって、結果それが上手くいかなかったとしても、それについて問われることもないしね。そういうところが選手としては付いて行きやすいんじゃないですか」とコメント。
またネット上の野球ファンからは「実際に球数稼いだし良い作戦だった。ただ山下が乗り越えちゃった」「オリファンだけど、これは普通に良い作戦ではあると思うな。振らずに塁に出れるならそうするだろうし」「オリファンだから見てて嫌な攻め方で一切バット振らない選手たちに異様な雰囲気感じたけど、投手攻略という意味でそういう攻めも面白かった」「振らなくても出塁できそうなら振らんわな」「なお振ってこないからストライクポンポン取れるようになるまで立ち直った模様」といった様々な反響が寄せられている。
なお、試合は5-2でゲームセット。日本ハムは奇策も実らず、今季3度目の同一カード3連敗を喫した。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)