将棋の藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、22)に渡辺明九段(40)が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第5局は8月27日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で午前9時から対局を開始した。シリーズは、タイトル5連覇を目指す藤井王位の3勝1敗で進行中。本局が決着の地となるか、後が無くなった渡辺九段が踏みとどまるか。注目の一戦が始まった。
防衛5連覇で「永世王位」の資格獲得を目指す藤井王位に、タイトル奪取を狙う渡辺九段が挑戦する注目のシリーズ。“真夏の七番勝負”は、いよいよ勝負所へと突入した。これまでの4局は、若き絶対王者・藤井王位の3勝、挑戦者・渡辺九段の1勝で推移。運命の第5戦は、神戸・有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」を舞台に争われる。
シリーズ開幕局は、膠着状態の続いた対局2日の午後に千日手が成立。相掛かりの進行となった指し直し局を、藤井王位が最終盤の大逆転で制した。しかし、第2局では再び相掛かりを志向し、“お返し”とばかりに完璧に指し切った渡辺九段が完勝でタイに追いついてみせた。続く第3局は、角換わりの出だしから藤井王位が31手目に3時間10分の大長考に沈む場面も。接戦から藤井王位が圧巻の終盤力を発揮し、藤井将棋の真骨頂とも言える美しい詰み筋を出現させ鮮やかな勝利を飾ってみせた。
8月19・20日に行われた第4局では、先手の渡辺九段が矢倉を志向したが、序盤の生じたほころびが大きな影響を及ぼすことに。藤井王位の鋭い踏み込みに対し、防戦一方となった渡辺九段も必死の抵抗を見せたが、絶対王者が正確に寄せ切り防衛に王手をかけた。
いよいよ終盤戦に突入する七番勝負。藤井王位が本局を制し、防衛5連覇と「永世王位」資格獲得を決めるのか。後が無くなった渡辺九段がここから追い上げを見せるのか。目の離せない戦いが繰り広げられそうだ。
持ち時間は各8時間の2日制。
(ABEMA/将棋チャンネルより)