将棋の藤井聡太王座(竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖、22)に永瀬拓矢九段(31)が挑戦する第72期王座戦五番勝負が9月4日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で開幕した。前日の3日には、対局場検分とともに会見に応じた両者。前王座の永瀬九段は、「挑戦が決まってから、藤井王座との対局をどんな時も考えてきた。止まった時間と自分を前へ進める」とタイトル奪還へ闘志をみなぎらせた。
永瀬九段が、再び王座戦五番勝負の舞台に立つ。「挑戦が決まってから、藤井王座との対局をどんな時も考えてきた」と開幕を前に、すでに戦闘モードであることは明らかだ。
4期保持し永世称号の“名誉王座”獲得まであと1期だった前期、目の前に現れた最強挑戦者の藤井竜王・名人にそのタイトルを奪われた。「(敗退後は)記憶がない時間がある」と失意の大きさを表現した。
棋界トップクラスの研究家で知られている永瀬九段だが、この1年ではメンタル面を強化した。「精神面と技術面は関係ないと思っていたが、精神面を向上させてみると全体的な能力が上がった気がする。この1カ月を見ると、自分でも想像以上に頑丈になれた部分があると思う」と成長を口にした。
運命のリターンマッチは、王座奪還とともにもうひとつの戦いにも挑む。「止まった時間と自分を前に進めるため。一生懸命向き合って、一生懸命取り組んで、一生懸命戦いたい」。強靭に鍛え上げられた永瀬九段は、熱戦必至の五番勝負でどのような戦いを見せるのか。期待は高まるばかりだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)