自信に満ちた受け答えは、今期もしっかりと結果を残す気配を感じさせた。KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)はプロ麻雀リーグ「Mリーグ」で「MVP」「最高スコア」「4着回避率」の個人3冠を達成。ただ4年目の伊達がまだ手にしていない大きなものがある。それは「優勝シャーレ」だ。真っ直ぐに初めてのチーム優勝だけを見据える伊達は「フルボルテージの伊達さんをお見せしたい」と力強く語った。
―まずは昨年の振り返りから。個人としては+215.3ポイントで4着回避率のタイトルも獲得した。
伊達朱里紗(以下、伊達) 昨年も含めて出来過ぎな3年間だったなというのが第一感としてあります。あくまでそれは個人としてで、チームとしてはファイナルシリーズに進めなかったことが悔しく思います。来年はチーム優勝だけにピントを合わせて、頑張っていきたいと思います。
―出来過ぎの中でも「これはできた」という手応えのあるところは。
伊達 1年目よりも2年目、2年目よりも3年目の方が麻雀に詳しくなったというのはあります。1年目の方は振り返ると「なぜかわからないけれど勝てた」というのが映像を見ていてもあった。ただ、ああいう舞台に立たせていただくと、普通に生きている何十倍もの経験値をもらえていると思うので、しっかり成長できたかなと。内容にも手応えはあります。
―Mリーグ全体の麻雀も攻撃寄りにシフトしていった。その中で4着回避率のタイトルを取れたというのは違う価値があるか。
伊達 自分自身いろいろな影響を受けやすくて「こういうのが流行ってるんだ」「こういうのが素敵だな」というのをどんどん取り入れています。去年は攻撃的な選手が加入したことで「これいいじゃん!」と思うものをやってみたことがあったのですが、そんな中で「これは間違えた」と失敗したこともありました。これまで教わっている人に修正してもらう機会があったので、お陰様でMリーグの中で自分を見失わずに済みました。
セミファイナルシリーズの試合で(鈴木)たろうさんのリーチにアガリ牌以外全部切って「3000・6000(跳満)」をアガった局があったのですが、それは(内容的には)間違っていると思いました。その時すごく反省をしました。
―昨年、チームは序盤調子が良く、その後はジリジリとマイナスした。
伊達 必死にトップを狙っているのに取れない、やきもきした展開が続きましたね。1試合には1人しか出られませんし、出れば必ずトップが取れるわけではないですし。難しかったです。
―新しい選手2人の印象はどうか。
伊達 竹内(元太)さんはEX風林火山のオーディションで対戦したのが初めて。その後に自分のことを褒めてくださって、すごく素敵な人だなと思っていました。当時、近代麻雀から受けたインタビューで、まだ竹内さんが最高位を取る前だったんですけど、私は「次に来るMリーガーは竹内さんだ」と話していました。この舞台でまた対戦できるのは楽しみですね。浅井(堂岐)さんは雀王を取られた後に稽古をご一緒することがあって、それで仲良くなりました。
―Mリーグで戦うというのはやはり違うのか。
伊達 あの舞台で戦うことはやはり特別です。普段通り打てない人もいる。自分はあの舞台の方が、パフォーマンスが上がる方だと思っているのですが、2人がどのように打つのか楽しみです。
―この3年間のキャリアは、2人との対戦でもアドバンテージになりそうか。
伊達 私はどんどん緊張もなくなって、舞台に慣れて麻雀に集中しています。2人は、1年目は緊張すると思うので、慣れないうちに叩いてやろうと思っています(笑)。
―個人タイトルは全て獲得したので、次の目標設定は難しそう。
伊達 とんでもないです。1番の目標のチーム優勝が出来てないんですから。もちろんそれはずっと何よりも目指しているものなんですけど。去年は個人賞を3つコンプリートしたいという気持ちがあったかもしれない。今年は優勝に向けてフルボルテージの伊達さんをお見せできたらと思います(笑)。
―4着回避率のタイトルは最初から意識していたのか。
伊達 (渡辺)太さんがラスを引いて、自分が1番手になった瞬間に意識しました。今年は優勝に向けてなりふり構わない姿勢を見せていくかもしれない。自分は割と安定思考なので…。そんな中で、鈴木優さんや太さん、瑞原(明奈)さんを見ているとしっかりと上ブレを捕まえに行っているように映ります。私は負けない麻雀なので、同じように上ブレを捕まえる麻雀も打ってみたいな、と。
人によって上ブレを捕まえに行くのはうまい、下手というのがあると思います。「日和っちゃったから勝てなかった」「かかってしまって勝てなかった」はあるというか。前のめりに行けばいいというわけではないと思うので、バランスを見失わないように、仲間に修正もしてもらいながら、チャンスを見極める力をつけたいなと思います。
―声優活動のコンサート直後は、良い結果が出ている。
伊達 ぶっちゃけ関係ないと思っていますけど(笑)、あまりにもライブ後の成績が良すぎますよね。どこか脳と体がリフレッシュして、いい状態で試合に向かえているのかもしれないです。にしても自分でも不思議だなと(笑)。
ファンの中には、私の声優の活動を見て、Mリーグのファンになってくださっている方もたくさんいらっしゃいます。逆にMリーグを見ている方が、「全然このアニメのことをわからないけど」と言いながら(笑)、コンサートに来てくれることもあります。
―チームメイトの雰囲気はとても良い様子。先輩・後輩の垣根がなくなっている印象も。
伊達 もともと私、図々しくて(笑)。チームメイトの方々もお優しいので、私のことを“生意気だ”と思わずに意見を受け止めてくださった。自分が間違っているかもしれないけれど、麻雀で思ったことは伝えたいなと。
―佐々木寿人選手は「それが良い」と言っていた。
伊達 本当ですか?それは良いことを聞いた(笑)。ではもっとずけずけと遠慮せずにいきますかね。
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)