最強棋士に勝つと、勝ち運を出し尽くしちゃう?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント決勝、チーム永瀬 対 チーム稲葉の模様が9月14日に放送された。試合はスコア5-2でチーム稲葉が勝利し2度目の優勝。連覇がかかったチーム永瀬は惜しくも準優勝に終わったが、リーダー永瀬拓矢九段(31)は試合後に「藤井さんに言われたことがあった」という負のジンクスを紹介。周囲の雰囲気を一気に和ませた。
永瀬九段は、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)がプロ入りして間もないころから研究パートナーとなり、将棋に限らず多くのことを語ってきた間柄。今大会では準決勝でチーム永瀬とチーム藤井が対戦。結果はチーム永瀬がスコア5-3で勝利し、決勝へと駒を進めていた。ただ大会連覇をかけた決勝では、中堅と若手の力が噛み合ったチーム稲葉の前に、スコア2-5で敗戦。悔しい準優勝だった。
試合後、永瀬九段は第1局に森内俊之九段(53)が勝利して幸先のいいスタートを切ったものの、第2局で自ら登場したところで新鋭・藤本渚五段(19)に持将棋、指し直しの末に敗戦。第6局も上野裕寿四段(21)に敗れるなど個人1勝2敗の結果に「森内さん、増田さんには申し訳ない」と反省していた。
淡々とした表情で敗因を振り返っていた永瀬九段だが、本戦全体を振り返る質問が飛ぶと、急に表情が明るくなり、仲良しの藤井竜王・名人とのエピソードを語り出した。「藤井さんに言われたことがあったんですけど」と切り出すと、「藤井さんが5連勝した後に、次に敗退するらしいんです。それで藤井さんに勝ったチームが(その後に)敗退するんですよ」。
チーム藤井は本戦トーナメント1回戦でチーム渡辺に5-0のストレート勝ち。ただチーム藤井にはストレート勝ちした次の試合で敗れるジンクスがあったようで、今大会ではその相手がチーム永瀬だったという。さらに、そこでチーム藤井を破ったチームは、力を使い果たしたように、次の試合で敗戦するという流れが、今回もぴったりはまったというわけだ。前回大会では、その役回りがチーム稲葉だったとし、永瀬九段は「途中で気がついて、どこかでひっくり返したかったんですが…。一応、警戒する流れではあったですけど」と苦笑いしていた。
意外なジンクスを紹介された視聴者たちは「聡太のこと大好きだね」「むしろそんなのよく気付いたな」「聡太の話するときの笑顔よ」「愛がすごい」「そんなジンクスが」と様々な反応を寄せていた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)