「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024」の関西予選Aブロックが9月16日、大阪市の関西将棋会館で行われ、決勝戦で藤本渚五段(19)が高田明浩五段(22)に101手で勝利した。この結果、藤本五段は西軍の代表権を獲得し、自身初となる東西対抗戦出場を決めた。
ファン投票で4位だった現役最年少棋士の藤本五段が、怒涛の勢いで予選突破を果たし“自力”で東西対抗戦出場権を獲得した。現役A級棋士の兄弟子・稲葉陽八段(36)、菅井竜也八段(32)ら強豪22名が揃った関西予選Aブロック。2回戦から登場した藤本五段は、西田拓也五段(33)、阪口悟六段(46)、村山慈明八段(40)と強敵を次々破り、決勝戦へと進出した。
決勝戦は、高田五段との対戦に。これまでに5度の公式戦全てで勝利を飾っているものの、この日の高田五段は、過去3年連続で予選突破していた稲葉八段を2回戦で撃破するなど勢いに乗る。若き両者による対決となった決勝は、藤本五段の先手で相掛かりの出だしに。手得対歩得の展開から、藤本五段は銀をぐんぐん繰り出し攻めに使って主導権を握ることに成功した。何とか流れを引き戻したい高田五段も先手陣目掛けて厳しく迫ったが、藤本五段の対応は冷静。緩急自在の堂々とした指し回しで後手を圧倒し、銀成から鮮やかに寄せ切った藤本五段が勝利を手にした。
この結果、藤本五段が自身初となる西軍入りが決定。ファン投票では、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)、豊島将之九段(34)、山崎隆之八段(43)に続く4位だったこともあり、“自力”出場権獲得で文句なしのメンバー入りとなった。
予選突破を決めた藤本五段は「(オールスター東西対抗戦は)トップ棋士や人気の棋士が集まって将棋を指す夢のような場所。いいなと思って見ていた」と笑顔。「前年度ある程度の活躍ができたのも(ファン投票4位の)要因のひとつになったのかなと思う。良いところをお見せできるようにと思っています。初めて西軍として参加できることになったので、精いっぱい頑張りたい」とファンの待つ大舞台での飛躍を誓っていた。
◆SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2024 ファン投票による選出(東西各3人)、予選(東西各3人)、決勝戦(東西各6人)によって構成される。12月中旬に開催予定の決勝では、個人戦と団体戦のポイント数で優勝チームを決定する。対局は全て持ち時間なし、初手から1手30秒未満で行われる。先手・後手は振り駒で決める。
(ABEMA/将棋チャンネルより)