なぜ福原遥演じる週刊誌記者は伊藤健太郎演じる元同級生を疑い続けるのか？そこには知られざる“前科”があった。松本優作×藤井道人によるオリジナル連続ドラマ『透明なわたしたち』の第3話では、報道における正義感の暴走が強烈に描かれる。
【映像】高校で起きた放火事件…犯人扱いされ孤立していく男子生徒
本ドラマは、過去と現在のそれぞれの事件が繋がり、衝撃的“真実”が明らかになっていく群像サスペンス。2024年の渋谷で起きた凶悪事件を引き金に、週刊誌ライターの主人公・中川碧（福原遥）は、事件の犯人が高校の同級生ではないかと疑う。疎遠になっていたかつての仲間たちと再会し、高校時代のある事件を回想しながら真相へと近づいていく。
凶悪事件を引き起こした犯人を高校時代の友人・喜多野雄太（伊藤健太郎）だと疑い、独自に取材を進めていく碧。その行動力と疑惑は、今回のケースが初めてではなかったことが、高校時代の回想場面で明らかになる。
それは高校最後の文化祭の夜。ダンス部の部室が何者かに放火される事件が勃発。犯人と思われる怪しい人物の姿を偶然にも撮影していた遥、風花（小野花梨）、梨沙（武田玲奈）ら新聞部メンバーは犯人捜しを始める。
映像に映る怪しい人物の姿が喜多野ではないかと疑った碧は、喜多野が梨沙の彼氏であっても真実を明らかにするべきだと、喜多野犯人説へと傾いていく。一方、碧から直撃を受けた喜多野は、梨沙も自分の事を疑っているのではないかとショックを受けて、二人の関係性に溝が生まれてしまう。
新聞部の顧問教師は「遊びじゃない」「警察も学校も終わったということになった」「これは事故だから忘れろ」と記事発行中止を求めるが、碧は学校側の隠蔽だと不満爆発。するとそれまで記事化をためらっていた梨沙も「うちも本当のこと知りたい」と同調し、ついに碧は記事を執筆する。
完成したゲラを呼んだ風花から「これ喜多野君が犯人だと思われるんじゃ」と不安視されるも、碧は「ちゃんと読んでもらえればわかる。喜多野君が犯人と決めつけてるわけではないし、伝えたいのはそこじゃないから」と過信。だがそんな碧の「私たちが記事にしないと事件自体がなかったことになってしまう」という訴えもむなしく、新聞部の顧問教師は掲載ストップを決定する。
しかし翌日、碧は衝撃的なものを目にする。ストップがかかったはずの学校新聞が何者かの手によって校内に掲示されていたのだ。当然のように、喜多野は生徒内で犯人と噂され、孤立。学校での居場所をなくし、ついには不登校になってしまう。
「ちゃんと読んでもらえればわかる」という碧の願いは届かず、独断と偏見で書いてしまった記事によって事態は最悪な方向に。犯人を突き止めたいという碧の正義感と記者魂は、書き手の意図を超えて大暴走。思わぬ印象操作を生み出してしまった。とはいえSNSの発達によって報道倫理が有限無実化しつつある昨今、碧の振る舞いを批判し、他人事だと片付けることはできるのだろうか。
そもそも碧によるスクープ記事が載った学校新聞を張り出したのは誰で、部室放火事件の犯人は本当に喜多野なのだろうか？過去・現在と様々な謎が出現した第3話。この先に波乱が待ち受けていることは間違いない。
