■シェアハウスで暮らし始めた、重度の障害があるタカシさん(仮名)31歳
脳性麻痺による重度の障害があるタカシさん(仮名)31歳は、今年6月からシェアハウスで暮らし始めた。母親のキノシタさん(仮名)は「私たちも還暦を過ぎて、正直身体的なケアが自分たちには難しいので、何か次の方法を考えなくてはいけないと思った。理想は最後まで地域の人や家族と当たり前のように暮らすのが夢だった」。
グループホームや施設ではなく、シェアハウスを選んだ理由は「息子がコミュニケーションの療育を受けていた時にみんなで暮らしたいと言った。最初は家族みんなでずっと暮らすのかなと思ったが、だんだんヘルパーさんとの時間を大事にしたいようで、私がいると“ママ、あっちいって”というそぶりを見せてきた。なので、ヘルパーさんと一緒に過ごすのが、彼にとっていい時間だと感じた。そういうシェアハウスが理想だと思っていたところに、たまたま見つけた」と説明する。
ヘルパーは毎回違う方なのか。キノシタさんは「同じヘルパーさんを希望していたが、やはりヘルパー不足で、来てもらえる時間数が決まってしまったので、1社だけでは駄目で、結局4社ぐらいから来てもらうことになった」と答えた。
タカシさんの反応は「元々、家族以外の人に対して拒否反応がある子だった。それでは将来困るので、なるべく小さいうちからいろんな人に接するようにしてきた結果、人が好きになった。だから、いろいろなヘルパーさんにきてもらうのが、彼にとっても喜びがある」「私が見ている限り、楽しそうにしていて、いろんな人と出会いが増えたのではないかと思う」と述べた。
■介護の未来の仕組み


