「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024」の東京予選Bブロックが9月21日、東京・渋谷区の将棋会館で行われ、決勝戦で増田康宏八段(26)が渡辺和史七段(29)に145手で勝利した。この結果、増田八段は東軍の代表権を獲得し、3年連続となる東西対抗戦出場を決めた。
増田八段が3年連続“自力”での予選突破を決めた。昨年までは同じ東軍として東西対抗戦を戦った羽生善治九段(53)、渡辺明九段(40)ら強豪33名の棋士が参加した東京予選Bブロック。2回戦から出場した増田八段は、初戦から近藤正和七段(53)、中村修九段(61)、宮田敦史七段(43)、黒沢怜生六段(32)に勝利し決勝の舞台へと進出した。
決勝戦の相手は、羽生九段、佐藤康光九段(54)と“レジェンド棋士”を次々に破った渡辺七段。早指しの適性も高い難敵との一戦は、振り駒の結果で増田八段の先手に決定した。力戦模様の出だしから、後手の渡辺七段が積極性を見せたが増田八段は豊富な攻め駒を武器に対抗。じりじりとした展開から激しいねじり合いへと発展した。先にペースを握ったのは増田八段と見られていたが、渡辺七段も簡単には譲らない。果敢な攻めで先手に迫るなどプレッシャーをかけたが、増田八段はしっかりと急所を見極め2枚の銀で敵陣を包囲。ぐいぐいと攻めを繋げて後手玉を追い詰め、増田八段が熱戦を制した。
この結果、増田八段の3年連続の東軍入りが決定。ファン投票で佐藤天彦九段(36)と永瀬拓矢九段(32)、今期念願の初タイトルを獲得した伊藤匠叡王(21)に加え、予選Aブロックを突破した三浦弘行九段(50)ともに5人目のメンバー入りとなった。
予選突破を決めた増田八段は、「準々決勝の宮田七段戦、決勝戦の渡辺七段戦はかなり苦しいところまで追い込まれたが、なんとか粘って指したことが突破に繋がったと思う」と笑顔。「昨年は本戦で負けてしまい東軍の足を引っ張ってしまったので、今回はしっかり指して勝って、東軍の役に立ちたい」と東西対抗戦への意気込みを語った。
◆SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2024 ファン投票による選出(東西各3人)、予選(東西各3人)、決勝戦(東西各6人)によって構成される。12月15日に開催予定の決勝では、個人戦と団体戦のポイント数で優勝チームを決定する。対局は全て持ち時間なし、初手から1手30秒未満で行われる。先手・後手は振り駒で決める。
(ABEMA/将棋チャンネルより)