見る者の心も震えるようなアガリだった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」9月30日の第2試合はBEAST X・鈴木大介(連盟)がトップを獲得。微差のオーラス、条件を満たしたダマテンから気迫のツモで決めた。第1試合で今期初トップを収めた中田花奈(連盟)と同日2勝を達成し、チームのマイナスを完済した。
試合は起家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)、鈴木大介、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)の並びでスタート。序盤は伊達が絶好調で、押し返すチャンスが掴めない。南2局まで実に6回のアガリを決められ、鈴木大介は1万8700点持ちの沈んだ2着目にいた。
同1本場、ようやく鈴木大介は先制リーチ。流局となるも1人テンパイで素点を戻すと、南3局2本場からは怒涛のアガリラッシュ。まずリーチ・ツモ・赤で1万2000点(+600点、供託1000点)を決め、同3本場はリーチ・ツモ・タンヤオ・赤・ドラのまたも親満貫と、2局連続の大物手成就であっという間に伊達と並んでしまった。
南4局、鈴木大介は伊達と1800点差。伊達が白のポンで逃げ切りを図ろうとしている。鈴木大介は5巡目に平和・ドラのイーシャンテン。7巡目に二・五万待ちのテンパイを組んだ。打点は2000点のため当然のダマテンだ。じっと息を殺す鈴木大介に、ライバルの伊達が長考後、二万を暗カン。鈴木大介の待ちが片方消え、残るは五万が2枚だ。たろうもテンパイし、勝負の行方が分からなくなった12巡目、鈴木大介が五万を力強くツモ。剛腕と共に叩き付けられた牌、それを直す指先は微かに震えていた。
インタビューで接戦のオーラスについて聞かれた鈴木大介は「たろうさんと伊達さんがソウズでぶつかれば、どんなに薄くても(自分の)マンズが勝ち。そうなる展開を願っていた」と鋭い思考を披露。これにファンは「ドンピシャです」「頭良すぎてw」「まるで将棋だな」「これがプロ棋士なんよ」と次々に感嘆の声を上げた。
これで同日2勝、チームはプラ転。「中田さんはすごくうれしそうだったし、雰囲気が良い時にやっぱりマイナスはできない、勝負半荘だな、と思いました」と、戦いに臨むにあたって、内心は気負うものがあったことも明かした。「なんとかスタートラインにまた立ったので、ここで緩まずにプラスをどんどん積み重ねていけるように、チーム一丸となって頑張れればと思っています」と次戦を見据えた鈴木大介。勝ち方を掴んできた猛獣軍団が、リーグをかき回しそうだ。
【第2試合結果】
1着 BEAST X・鈴木大介(連盟)4万9000点/+69.0
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)4万7400点/+27.4
3着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)2900点/▲37.1
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)700点/▲59.3
【9月30日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +108.8(6/96)
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +98.3(10/96)
3位 U-NEXT Pirates +49.1(6/96)
4位 BEAST X +6.6(8/96)
5位 EX風林火山 ▲16.2(8/96)
6位 TEAM雷電 ▲40.4(10/96)
7位 KADOKAWAサクラナイツ ▲50.4(8/96)
8位 赤坂ドリブンズ ▲73.2(8/96)
9位 渋谷ABEMAS ▲102.6(8/96)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)