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【映像】西山女流三冠が勝利した編入試験第1局

 将棋の西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将、29)が挑む棋士編入試験第2局が10月2日、東京・渋谷区の将棋会館で行われている。本局の試験官を務める山川泰熙四段(26)は、「相手にとっては非常に重いものがかかっている一局」と“重大任務”に臨む上での複雑な心境を語った。

【映像】西山女流三冠が勝利した編入試験第1局

 棋士編入を目指し、西山女流三冠が挑む大勝負。第1局の高橋佑二郎四段(25)戦を制し、幸先の良いスタートを切った。続く第2局の試験官を務めるのは、高橋四段と同じく2024年4月にプロ入りを果たした山川四段だ。

 山川四段は、9月23日に行われた「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024」東京予選Cブロックで、ABEMAの中継に出演。解説の合間に、棋士編入試験の試験官という“重大任務”に臨む上での複雑な思いを吐露した。

 プロ入りから約半年で大注目の一局を任されることになった心境を問われた山川四段は、開口一番「そりゃ嫌ですよ!」と即答。「だって、みんな西山さんを応援するに決まってるじゃないですか。責任重大ですし…」と率直に思いを語った。

 先に行われた第1局は、「両者持ち味を出し切った良い将棋でした。高橋四段は苦しくなってからもあの手この手で粘り強く指し手いましたし、西山さんは終盤で鋭い一手を指してそこから緩みなく押し切って、という良い将棋だったなと思いました」とコメント。その上で「その後に2局目を指すのは重いな…と(笑)」と苦笑いを浮かべる場面もあった。

 棋士編入試験は過去に5例実施されてきたが、大多数のファンは受験者側を応援していると言っても過言ではない。今回の西山女流三冠が合格した場合、史上初となる“女性の棋士”が誕生するため、より一層の注目を集めている。

 周りの棋士、女流棋士たちも揃って西山女流三冠を応援しているといい、「世界中に誰も味方がいないんです。同じ試験官5人しか応援してくれないですよ(笑)」と究極の“アウェイ戦”に臨む苦労も口にした。一方で、試験官を務める棋士たちとは普段から交流があるといい、第3局以降を担当する上野裕寿四段(21)、宮嶋健太四段(25)、柵木幹太四段(26)とは「試験官は憂鬱だよね、頑張ろうね、というような話をした」という。また、第1局の試験官で敗れた高橋四段からは「(対局が)終わったその日の夜に『敵をとってください』というメッセージが届いた」という秘話も明かした。

 「我々は我々で、チームのような感じなんです。この気持ちをわかるのは5人しかいないですから」。受験者にとっても厳しい試験だが、“壁”を務める棋士も想像を絶するプレッシャーがあることを物語っていた。

 第2局を任された山川四段は、「いつも通りの対局に挑むようにしっかり準備をします」と冷静だ。その上で、「相手にとっては非常に重いものがかかっている一局ですから、気持ち的には“三段リーグ第19回戦”くらいの気持ちで行きたいです」と過去に自分が乗り越えてきた過酷な関門を例に、意欲を語っていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】棋士編入試験 五番勝負 第2局 山川泰熙四段 対 西山朋佳女流三冠
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【映像】“試験官”を務める心境を語る山川四段
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西山朋佳女流三冠、「初の女性棋士」に王手なるか!?山川泰熙四段との注目の第2局始まる