■なぜ川口市に大量のクルド人?ほとんどが「難民申請中」「仮放免」状態

 現在、川口市内には2000人から3000人ほどのクルド人がいると言われており、独自のコミュニティを形成するまでになっている。そのうち約半数が難民申請中で、この時点では「特定活動」となり在留資格がある。ただし却下された場合は「仮放免」という状態になる。本来は強制送還もしくは入管施設に収容されるべきだが、人道的・健康上の理由などから例外的に身体の拘束を解かれた状態だ。この仮放免では働くことも、健康保険に加入することもできない。

 川口市長の私設秘書を務める小見山祐紀氏は、「100人もいないが中長期の正規在留資格を持っている方もいる。仮放免状態の方はおそらく700人から900人。さらに難民認定された方は1人だけだが、私が取材した範囲では他にも数名いる」という。この難民認定には平均でも数年を要すると言われる。また現在でも強制送還は行われているものの、その数を上回る新たな入国者がいるという。

 多くのクルド人によって犯罪が増えているかという点において小見山氏は「川口市の人口は60万人。昨年度の市内の犯罪件数はだいたい4000件だった。隣のさいたま市は人口120万人で犯罪件数もちょうど2倍。また人口1000人当たりの犯罪率は埼玉県の平均が6.8で川口市は7.5。平均よりもちょっと上」とし、突出して犯罪件数・犯罪率が高まっているわけではないと述べた。

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