将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)に佐々木勇気八段(30)が挑戦する第37期竜王戦七番勝負が10月5日、東京都渋谷区の「セルリアンタワー能楽堂」で開幕した。前日の4日には両者が対局場検分を行ったほか、前夜祭に出席。藤井竜王は「内容の充実した面白い将棋を指せるよう、全力を尽くしたい」と防衛4連覇を目指すシリーズへの意気込みを語った。
タイトル初挑戦となる佐々木八段を挑戦者に迎えた注目のシリーズが開幕。今期、防衛4連覇を目指す藤井竜王は、「佐々木八段と2日制の持ち時間で対局をするのは初めてで、私自身も緊張感と同時に楽しみな気持ちを持っている」とコメントした。
今期15勝2敗で.8823と絶好調の佐々木八段に対しては、「攻めの鋭さが一番の特徴。今期の竜王戦決勝トーナメントを見ていると、それに加えて受けの手厚さや粘り強さがある。充実した将棋を指されていると思う」と警戒心を持っている様子だ。
挑戦権獲得から勢いそのままに番勝負に乗り込んでくる佐々木八段は、研究に加えて対局開始時間や昼食休憩の時間などを普段の生活から「竜王戦モードにしてきた」とも。しかし、迎え撃つ藤井竜王は年間を通じて日常をタイトル戦モードで過ごしているとあり、「私は特に特別なことはしていない」とニッコリ泰然の様子だった。
若き絶対王者は、「一手一手深く考えて、お互いの読みがぶつかり合うような内容の充実した面白い将棋を指していけるように全力を尽くしたい」と語り、静かな闘志を燃やしていた。