10月20日、「セントラル・ヨーロッパ・ラリー」最終日デイ4に、トヨタのサミ・パヤリが操る白いGRヤリスがコースオフして派手に横転。未来のチャンピオン候補が、手痛いながらも貴重な経験を積んだシーンがXで話題となっている。
2024年の世界ラリー選手権(WRC)、サミ・パヤリはWRC2カテゴリーを主戦場としながら、地元フィンランドとチリでは最上位クラスのWRC1にエントリー。それぞれ4位と6位という好結果を残した。今大会もトヨタのサポートを受けながら、同僚のエルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、勝田貴元とは異なる、白いカラーリングのGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで臨んだ。
今大会はコース幅が狭いながらも平均速度が高く、これに霧や小雨といったコンディションの悪さも重なり、パヤリにとってはWRC1カテゴリーで挑む初めてのターマック(舗装路)ラリーという課題も立ちはだかった。
それでもデイ3終了時点で6位につけていたパヤリだったが、デイ4オープニングのSS(スペシャル・ステージ)15でミスを犯してしまう。左コーナーの立ち上がりでリアを抑えきれず、路面とコース脇の草地との間が段差になっていため、マシンはそのままコースオフ。3回ほど横転した後にやっと停車した。
車載映像では転倒した次の瞬間、ボロボロになって路肩にたたずむマシンの様子が映し出されるが、実際には何度も回転しており、幸いクルーは無事だとわかったもののマシンは大破。リアウイングは外れ、ルーフがひしゃげて、ウインドウも割れ、白煙まであげている。
業界でも期待の新星として注目を集めていたドライバーだけに、このクラッシュシーンはWRC公式Xでも取り上げられ、「日曜の朝早い時間にドラマが(クルーは無事だ)」とツイート。「パヤリ/マルコネン組がSS15で回転した」という動画が添えられた。
トリッキーなステージで悔しい思いをしながらもいい経験を積んだパヤリ。11月に日本で開催される「ラリー・ジャパン」ではWRC2カテゴリーから出場予定となっているが、WRC2タイトル獲得の本命だけに、新鋭の真価が問われることになる。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)