関東で相次いでいる一連の強盗事件。多くが「闇バイト」で募った実行役による凶悪犯罪とされている。
SNSを通じて「即日払いのバイト」「高額ホワイト案件」などの言葉に誘われ、「闇バイト」に応募する人間は後を絶たない。また、加担してしまう人間の低年齢化も懸念されている。
山口県で10月21日、工具などを持って強盗に入ろうとしていたとして少年3人が逮捕された事件では、実行役の1人はまだ中学生だった。
なぜ、若者は安易に凶悪犯罪に加担してしまうのか。闇バイトによる未成年犯罪について、元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「成人と比べて、警戒能力や判断能力が低く、罪に対する認識が甘い」と指摘する。
「少年(若者)は自分がやった行為のペナルティはそんなに大きく返ってこないと思いがち。加えて社会経験も浅いので、『(自分の行為が)みつからない』と考えるケースも。罪を犯すことでひどい目に遭うのか、重い処罰や刑事罰を受けるのかといった “制裁”に対するセキュリティも意識も甘い」
さらに、加担してしまった犯罪行為について「軽いペナルティではない。特に強盗となると非常に重い。法廷で受けた処遇の結果、例えば5年〜7年とか、現実に少年刑務所に収容される可能性がある。一番大事な、人生の礎を築くような大事な期間に5年も6年も(刑務所に)収容されたのでは、人生として非常な大きな痛手になる」と警鐘を鳴らす。
しかし、闇バイトの募集には一見、普通の求人と見分けのつかないものもあり、知らずに応募してしまい、個人情報をたてに脅迫され「引き返せなくなってしまった」というケースもある。そのような状況になった場合、どうすればよいか。
亀井弁護士は「まず親には相談すべき。親族に相談し、その上で警察に行くのが正解」と、初期対応について見解を述べた。
警察庁は公式Xで闇バイトがきっかけで脅されて犯罪に加担しようとしている人たちに向けて「あなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください」と呼びかけている。
加えて、子どもが犯罪に手を染めるのを未然に防ぐために大切なのは「日常から危険性を伝えること」だと亀井弁護士は語った。
「結局は啓蒙の問題。実際おいしいバイトというのはない、そういう甘い話に乗ってしまったら必ず自分(親)に相談するように、そして必ず自分で踏みとどまるようにと、普段から教育するしかない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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