将棋の渡辺明九段(40)が、10月26日にABEMAで放送された「竜王戦と天皇賞(秋)2024」に出演。同日に行われた第37期竜王戦七番勝負第3局を振り返り、勝利した藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)について、「詰む・詰まないが正確で、相変わらず速いなという印象を受けた」とコメントした。
絶対王者・藤井竜王と、タイトル戦初登場の佐々木勇気八段(30)が激突している今期の竜王戦七番勝負。10月25・26日に京都市の「総本山仁和寺」で行われた第3局では、藤井竜王が制しシリーズ成績を2勝1敗とした。
終局後の特番には、永世竜王資格保持者の渡辺九段と、叡王経験者で佐々木八段と同門の高見泰地七段(31)が出演。直前まで行われていた大激戦の竜王戦第3局を振り返った。
大盤では、超高難度となった終盤戦に注目。高見七段は勝負を決める一手となった藤井竜王の角打ちの一着にフォーカスし、「藤井竜王の方が持ち時間を多く使っていたが、最後の詰む・詰まないは一瞬で見切れるのでこのような角をすぐ打つことができる」とコメント。今年度の王位戦七番勝負ほか、6度のタイトル戦の大舞台で藤井竜王と対戦経験を持つ渡辺九段も「正確で、相変わらず速いなという印象を受けた」とうなった。
高見七段は、藤井竜王を“息切れしないランナー”と表現。「集中力もずば抜けていて、最後まで息切れせず持続するのはすごいこと」と言及。「もう表現され尽くしている…」と語っていた渡辺九段も、この例えには大きく頷いていた。
一方の佐々木八段については、「爆発力が最大の長所。連勝連敗タイプではあるが、勝つときは派手な勝ち方が多く連勝中は手が付けられないところがある」という。互いが持ち味を存分に発揮しているシリーズとあり、トップ棋士の両者にとっても見どころは多い様子だ。
シリーズ成績は藤井竜王の2勝1敗に。ここまではそれぞれ先手番で勝利を飾っている。これを受け、渡辺九段は「先手番のわずかな優位性を保てる技術があるからこその2人の結果だと思う。(第3局は)佐々木八段は結果は残念でしたが、チャンスもあったので悲観するような内容ではなかったと思う」とし、まだまた続く今後の熱戦に期待を込めていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)