右のカウンターを効かされた状態で、超近距離から左フックが顔面へガツンとクリティカルヒット。モロに被弾した選手は意識もうろうといった様子でセカンドロープにだらりともたれかかるようにして脱力ダウン。衝撃的なKO劇にファンも騒然となった。
10月25日に後楽園ホールで開催された「Krush166」。渚(K-1ジム五反田チームキングス)と龍生(ALONZA ABLAZE)の対戦は試合終了間際の衝撃KO決着。3ラウンド終了間際、アグレッシブな打ち合いを制した龍生が渚に“殴り勝ち”。象徴的なダウンシーンにファンも驚いた様子だった。
K-1アマチュア優勝経験のある渚と龍生は共に2000年生まれの同世代対決。1ラウンドは両者譲らず、迎えた2ラウンドも蹴りパンチの応酬が続く。龍生は右のローからパンチとアグレッシブな攻撃を見せると、一気に前に踏み込んだ渚に絶妙なカウンターのワンツー。これが当たり渚をグラつかせる。ややダメージの残る渚だが、アグレッシブな姿勢は変えず右ミドルで抵抗するなど、このラウンドを凌いだ。
最終3ラウンド。渚がヒザで入ると龍生はパンチを連打。両者決着をつけるべく近距離での攻防が続く。渚はフレームを活かした長い距離からのミドル、近い距離ではヒザなど多彩な攻撃で気持ちの強さを見せる。対する龍生は冷静に相手の踏み込みに合わせて左フックで応戦する。
すると、試合は残り1分で衝撃的な決着を迎える。距離を縮めた渚が次々とパンチを当てはじめ、龍生は次第に後退。これまでと攻守が逆転するような展開で龍生が右のカウンターを当ててグラつかせ、最後は低い体勢から左をフルスイング。超接近戦でまともに被弾した渚は、両腕をダラーンと伸ばしたままセカンドロープに持たれかかり、そのまま力尽きてダウン。カウント4でレフェリーがゴングを要求した。その後、レフェリーの力を借りて立ち上がるも完全に脳揺れ状態。劇的な決着に「どんな倒れ方だよ」「ロープにぶら下がっていた」「この終盤にコンパクトなパンチで倒すのは凄い」とファンが騒然となった。
ダメージが心配された渚だったが、自らの足で歩いてリングを後に。花道で拍手を受けるとファンに向かって数度、頭を下げてから控室に戻る礼儀正しさも見せた。