勝った試合の内容よりも、伝えたいことがあった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」10月28日の第1試合はTEAM雷電・萩原聖人（連盟）が今期初トップ。試合後の熱いメッセージがファンの胸を打った。
この試合は東家からセガサミーフェニックス・浅井堂岐（協会）、萩原、渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）、赤坂ドリブンズ・浅見真紀（最高位戦）の並びで開始した。前回登板時はまさかの“暗カンし忘れ”で放銃というエラーもあった萩原。奮起を待ち、ファンはエールを送る。
東1局、その思いに応えるかのように萩原に勝負手が入った。1・4・7索待ちのリーチで浅井からリーチ・タンヤオ・平和・赤2・ドラ2の跳満をロン。大きな先制点を手に入れた。中盤、その浅井が親満貫、親跳満と盛り返し、萩原は南4局を迎えて3着目、トップの浅井まで満貫ツモが必要という条件だ。
萩原の配牌はメンツが一つあるもののドラも赤もない凡庸な手。しかし序盤に赤5筒を引き、6巡目にイーシャンテン一番乗りとすると、にわかに逆転手の雰囲気が漂う。うまく残した九万がメンツになると789の一盃口が完成。3・6筒待ちのテンパイを組むと即リーチだ。親の浅見がドラ7筒を切って追っかけリーチ。萩原は放銃すればラスまで転落もある、しかしツモればトップだ。天国と地獄のはざまで、萩原が軽やかに引いたのは3筒だった。リーチ・ツモ・一盃口・赤の8000点で浅井を逆転、今期初トップをゲットした。
勝利者インタビューでは4着になった松本を思いやり「マツの気持ちは非常によくわかる。ここで無邪気に『初トップ取った！』と素直に喜べない」と切り出した。さらに「個人としてはすごく、本当にうれしいがまだまだ先は長いですし、これまでチームに迷惑をかけてきた立場なので…」とあくまで笑顔を抑え、謙虚に語った。
スターの勝利はチームの士気を上げる。萩原は「監督やスタッフ、チームメートがめちゃくちゃ喜んでくれる。応援してくれるユニバースと少しだけ喜びを分かち合って、楽屋でバカみたいに喜ぼうかな！」と語ったところで初めて白い歯を見せた。
苦しい時は周りにいる人が助けてくれる。「自分一人だったらとっくに辞めているだろうし、こんなにキツい状況…。だけど、好きなんですよね、麻雀が！」と熱いメッセージを語り始めると、視聴者からは「神回になったぞ」「泣きそう」「やはりハギーはＭリーグに絶対に必要！」「いや、かっこいいよハギー」と次々にコメントが寄せられた。7年目のMリーグ、今年も多くの新人が次々に芽を出しているが、やはり“スター雀士”萩原の存在感は抜群だった。
【第1試合結果】
1着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）3万3000点／＋53.5
2着 セガサミーフェニックス・浅井堂岐（協会）3万2200点／＋12.2
3着 赤坂ドリブンズ・浅井真紀（最高位戦）2万1300点／▲18.7
4着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）1万3200点／▲46.8
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
