■自殺を考えていた ケンさん(51)

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 3年前、ケンさんは借金が原因で自殺を考え、東尋坊へ向かった。「原因は4000万くらいの借金。死に場所をさまよって保護されたというかたちだ」と当時を振り返った。ギャンブルや不動産投資で借金を抱え、取り立てから逃げるために東尋坊を訪れたという。

 そこで茂さんに「何しているのか。自殺しようと思っているのではないか」と声を掛けられた。ケンさんは「とりあえずもうどうしようもなかったという気持ちがあった」が、「保護された時、他人なのに声を掛けてくれる人がいることに、ちょっと心がほっとした」。

 その後、NPOの支援で自己破産・生活保護の申請、住居準備がなされた。現在は持病があるため働くことが難しく、生活保護を受給しながら月に数回NPOの手伝いをしている。ケンさんは「皆さんと会話できるのは楽しいし、心の安らぎになるので感謝している」と話す。

 茂さんに対してケンさんは「あそこで声を掛けてくれたということに対して、感謝の気持ちしかない。こうやって今生きているのは茂さんのおかげだと思っている」と述べた。

■「必ず生きていて良かったと思うことがある」
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