【明治安田J1リーグ】鹿島アントラーズ 0-0 名古屋グランパス(11月9日/県立カシマサッカースタジアム)
 退場者を出した一触即発のシーンで、実は誰よりも激昂したのはこの男かもしれない。名古屋グランパスのMF稲垣祥は、チームメイトのMF椎橋慧也が鹿島アントラーズのFW鈴木優磨に危険タックルを繰り出し、その“報復”を受けるように突き飛ばされた瞬間、鹿島の背番号40に向かって猛突進したのだ。
 問題の場面は57分、名古屋がゴールキックからのセカンドボールを回収され、鹿島に攻め込まれたシーンのことだ。ハーフウェーライン付近の左サイド、鹿島のMF仲間隼斗がキープしてからヒールパスを送り込むと、そのボールに反応したのが鈴木と稲垣だった。ボールに対して、鈴木が先に身体を滑り込ませたことで、出遅れた稲垣は転倒し、鈴木が前進する背中を目で追う形となる。