<大相撲十一月場所>◇二日目◇11日◇福岡・福岡国際センター
かつて“天才相撲少年”として注目を集めた16歳力士が、体重100キロ差のベテランの相手を強烈に寄り切った。体重差を制して圧倒した相撲内容に館内はどよめき、視聴者からも「強い」「小さいけど身体能力高い」と称賛の声が相次いだ。
見事な白星を挙げたのは、琴元村改め序二段八十三枚目・康誠(秀ノ山)。小学生時代に“天才相撲少年”として知られた期待の新人であり、今場所から本名“元村康誠”の下の名前を四股名とし、“康誠叶夢(こうせい・かなと)”として臨む16歳の若手力士だ。身長160センチ・体重68キロの小柄な体格ながら抜群の身体能力を持ち、今年七月場所で序ノ口デビューすると観客を沸かせる相撲で活躍してきた。
十一月場所二日目、1番相撲の相手となったのは序二段八十四枚目・奄美岳(山響)。39歳のベテラン・奄美岳は身長178.8センチ・体重167.7キロの大きな体の持ち主で、康誠とは年齢差も体重差も2.5倍近くある体格差対決となった。
先場所に比べて体つきが逞しくなったように見える康誠は、立ち合い低い姿勢で頭から当たっていった。すぐに相手の腕をたぐって素早く回り込み、左からまわしを掴むと、潜り込んで両まわしをしっかりと掴みながら見事に寄り切った。ベテランかつ巨漢の相手に何もさせずに小柄な康誠が完勝すると、館内からはどよめきが沸き起こった。康誠は1勝目。敗れた奄美岳は1敗目を喫した。
トリッキーな動きだけでなく、しっかりと正面から当たって100キロ近くも重い相手を力強く寄り切った康誠。その勝利には視聴者も驚きの様子で、取組前は「この体重差は…」と不安の声も寄せられていたものの、決着後は「やるね」「強い」「小さいけど身体能力高い」と称賛の声が相次いだほか、相撲の基礎をしっかりと学んでいることがうかがえる美しい四股に「いい四股」と目を奪われるファンもいた。(ABEMA/大相撲チャンネル)