アメリカ大統領選は接戦が予想されたが、結果は共和党・トランプ氏の圧勝となった。大統領の返り咲きは132年ぶりとなるなか、このところ聞かれるのが「トランプ・ディール」なる単語だ。国際政治学者の舛添要一氏が、その意味を解説する。
舛添氏は「トランプ氏は元々商売人で、理念よりも“アメリカファースト”。とにかくアメリカのためになることをやる。外交も利益になることをやる」と語る。「極論を言えば『中国が台湾と一緒になりたいなら、中国製品をシャットアウトする』という取引もやりかねない」。
ウクライナ問題については、大統領復帰前に停戦すると明言してきた。「『24時間以内に終わらせる』と言っている。アメリカからの武器と援助がないと、ゼレンスキー大統領は戦えない。プーチン大統領とも話しているだろうが、ロシアが占領する地域はそのままで、『戦争をやめるが先だ』となるだろう」と予測する。
そしてNATO(北大西洋条約機構)には、「ロシアがNOと言う」ため、ウクライナを加盟させない見方を示す。「すでにウクライナに130兆円近くを渡している。トランプ氏に投票したアメリカ国民は『生活が苦しい。俺たちにくれ』となる」。
トランプ氏は、これまでNATO脱退をにおわせてきた。「アメリカファーストで、ヨーロッパは二の次。『金を払わないと、俺は出るよ』。ゼレンスキー氏は絶望しているが、どうしようもない。ヨーロッパだけでは助けられない」と現状を説明した。
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