■老いを見る3つのポイント
白澤氏によれば「老化研究は3つのレベルがある」という。「1つは細胞の老化、もう1つは臓器の老化、最後に来るのが個体の老化だ。視力や聴力の変化は臓器の老化だ。それぞれ臓器の老化スピードは違う。ほとんど老化しない臓器もある。変わらない臓器は腸だ。腸の細胞は常に入れ替わっているが、脳と筋肉の細胞は減る一方だ」と説明した。
腸が衰えないのに年齢とともに消化力が落ちるのは、すい臓の働きが低下するためだという。さらに、睡眠時間も短くなる傾向がある。「正常な老化の一部であり、考え方次第で受け入れられる」。
脳と筋肉の老化は40歳頃から始まる。白澤氏は「一生かけて追い続ける目標を持っている人は長生きする傾向にある。だから目的は別にあって、結果として長生きしたというのがほとんどのケースだ」という見解を示し、「100歳で元気な人たちの若い頃の写真を見ると、やはりバリバリに活動していた」と、やりがいを持つ人こそ長寿に近いと語った。
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