まるで格闘ゲームにありそうなほどカッコいい連続技だった。アニメ「ドラゴンボール改」の魔導士バビディの術にはまったベジータ(CV:堀川りょう)と孫悟空(CV:野沢雅子)の戦いの中で、ゲームだったら最高に気持ちいいコンボが炸裂した瞬間があった。
【映像】対悟空戦で見せたベジータのコンボ(4分17秒ごろ~)
魔人ブウの復活を阻止するために、バビディの宇宙船へと乗り込んだ悟空たち。じゃんけんで戦う順番を決め、2番手となった悟空はバビディの配下であるヤコンと戦うことになった。そのとき悟空が一瞬見せた力を目の当たりにしたベジータは、悟空との力の差を痛感していた。
そこでベジータはあえてバビディの術にかかると、秘めていたパワーを限界を超えて引き出し、悟空との力の差をなくすことに成功。お互いが超サイヤ人2に変身しての戦いは、まったく互角の展開だった。しかし、これまで数々の屈辱を味わってきたぶん、ベジータがやや優勢にも見えた。
連続エネルギー弾に悟空が気を取られたその瞬間、ベジータは背後に回り込むと強烈な膝蹴りを見舞い、悟空の意識を一瞬飛ばした。そしてそのまま悟空を羽交い締めにして地上に急降下、地面に叩きつける非情なコンボを決めた。さすがの悟空も相当なダメージを負ったのか、立っているのがやっとの状態となってしまう。さらにベジータは追撃を緩めることなく、悟空の顔面にスピードに乗った頭突きを喰らわせ、吹っ飛ばした。
ドラゴンボールの格闘ゲームとして当時人気を博したスーパーファミコン用ソフト「ドラゴンボールZ 超武闘伝3」や「ドラゴンボールZ HYPER DIENSION」では、ベジータは額にバビディの術にかかった状態を示す「M」の印がついた状態で登場している。ベジータといえば連続エネルギー弾のイメージが強かったせいか、ゲームでもベジータのメテオ技はどちらのソフトでも連続エネルギー弾からトドメの一撃を放つ技となっていたが、上記バトルシーンが当時もっと注目を集めていれば、ベジータのメテオ技にこの連続攻撃が採用されていたかもしれない……そう思わせるほど、このときのベジータの連続攻撃は爽快感に満ちていた。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送中。
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