<大相撲十一月場所>◇十一日目◇20日◇福岡・福岡国際センター
前頭筆頭・平戸海(境川)と前頭二枚目・宇良(木瀬)の一番は、二度の取り直しとなる大熱戦を繰り広げた。まさかの“3番勝負”に館内騒然。実況が「これはボーナストラック」と大興奮で伝えた一番の最中、とにかく楽しそうな宇良本人の様子にもファンの注目が集まった。
一度目の取組では、立ち合い低く当たった宇良と突き放す平戸海が激しい攻防を繰り広げた。のど輪で前に出ていった平戸海が押し勝ったかに見えたが、土俵際で粘った宇良も足を残しており、際どい決着に物言いがつくこととなった。軍配は平戸海に上がったものの、審判団の協議の結果、両者の体が落ちるのが同時と見て取り直しとなった。
館内大盛況のなか迎えた取り直しの一番では、立ち合いやや左に動いて当たった宇良が一気に前に出る攻めを展開。だが土俵際で今度は平戸海が粘り、前のめりに落ちそうになった宇良も驚異の跳躍で耐え、再び際どい決着に物言いがついた。一度目の取組に続いて平戸海に軍配は上がったが、協議の結果同体と判断され、またもや取り直しに。
異例の“3番勝負”に、ABEMAの中継で実況を務めた高橋大輔アナウンサーは「なんと3回目です!」「これはボーナストラックですね」と大興奮。宇良も思わず笑みを浮かべ、客席からは大きな歓声が飛び交った。
三度目の取組では、立ち合い正面から当たった両者が激しい押し合いを繰り広げた。その後、宇良が腕をたぐって平戸海の体勢を崩すと、すかさず前に出て押し倒して勝利した。勝った宇良は「どうだ!」と言わんばかりの表情を浮かべていた。宇良は3勝目。平戸海は10敗目を喫した。
3度にわたる熱戦に、実況の高橋アナが「本当は両力士に一つずつ白星をあげたいぐらいの素晴らしい一番でした」とコメントすると、同じくABEMAで解説を務めた元前頭の大岩戸も「あげたいですね」と応じた。さらに大岩戸は「三度目がお互いに一番いい立ち合いをしている」と指摘しつつ、「これはもう気持ちの勝負でした」「どっちが勝ってもおかしくない、心が熱くなるような取組」と両力士の健闘を称えていた。
まさかの“3番勝負”となった白熱の取組に、視聴者も「サービスw」「宇良笑ってるしw」「何回やらんすんだ」「ファンサすぎるw」「3回目w」「マジかって顔してる」と大盛り上がりとなっていた。(ABEMA/大相撲チャンネル)