■「帰化の時点で確認をするのが、今やるべきこと」

小林史明氏
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 日本の被選挙権(立候補)の要件は、まず日本国民であること。衆院議員・市区町村長は満25歳以上、参院議員・知事は満30歳以上、都道府県・市区町村議会議員は満25歳以上で、3カ月以上その地域に住所あり、などの条件がある。また、帰化の条件には住所条件、能力条件、素行条件、生計条件、重国籍防止条件、憲法遵守条件があり、申請手続きには約1年半かかる。徐氏は現在、日本への帰化を申請しており、申請が通れば市長選への出馬は国民の権利として当然認められる。

 一方で、帰化せず在留している“外国人”の場合は、公職選挙法により投票権・立候補権共に認められていない。外国人参政権の導入を支持する、名城大学教授の近藤敦氏は「年々日本に住む外国人が増え、課税義務は同等なので、地方での立候補権は認められるべき」「諸外国では二重国籍・地方投票権・立候補を認めるのが主流になりつつある」との考えだ。

 これに対して、環境副大臣・元デジタル副大臣、衆議院議員の小林史明氏は「中国、北朝鮮、ロシアと野心的な国に囲まれている日本は、安全保障上ものすごくセンシティブな状況に置かれていることを前提に議論しなくてはいけない」といい、「今も外国人参政権を認めていないのは、憲法の中で整理があって、それに準拠してやっている。帰化の時点でちゃんと確認をしていくのが、今やるべき本来の姿だと思う」と指摘。

 徐氏が、帰化する決断をしたのは、「この3年間、市民の苦しさなどを見たら、若者として何かをやりたい気持ちになる。国籍帰化は、人生の重要な点だ。前は外国人だが、日本に帰化したら、法律上では日本人と同じ。例えば行政法などの法律が厳しくなったら、人材を失ったり、国や市が不利になる可能性もある」と説明した。

 また、批判の声に対しては「純粋に熱海への愛で立候補」「乗っ取るなんてことはあり得ない。中国人を大量に呼ぶこともしない」「元中国人の自分が日本にとって良い事をすれば外国人への差別・偏見を減らせる」との思いを持っている。

 小林氏は「(日本には)外国人の方々も住んでいて、その人たちが感じた課題をどうやって行政に反映するのか。その仕組みがないから、徐さんは自ら選挙に出たいと思ったわけだ。そこを考える必要がある。今、市町村任せにしているものをせめて県がやる、国が集約してコールセンターを作るとか、本来はそういう整備をやる必要がある」との見方を示す。

 さらに、「結局、外国人が日本文化になじめるかは、地域の治安や快適さに直撃している。なので、外国人が本当は何に困っていて、何が分かれば日本の文化に馴染めて生活が十分にできるのかは直接地域に関わってる。人口が減るから、どうせ外国人を入れる、外国人を入れたら、意見を聞かなきゃいけない。そういう安易な考えで日本は過去に、安いから海外に工場を作ろう、そこに労働力を任せよう、日本の投資のお金も仕事も海外に消えて行って、成長が失われた。今、それを見直して、お金は高いかもしれないが、安全保障上信用できる国、日本国内で物を作ろうと言って、経済安全保障という考え方に変えてきた。だから、一見合理性がありそうだけど、ちゃんと考えないといけない論点をなあなあにしちゃいけない」とした。

(『ABEMA Prime』より)

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