<大相撲十一月場所>◇十三日目◇22日◇福岡・福岡国際センター
ウクライナ出身、期待の“規格外”新十両力士が驚きの妙技を見せた。一瞬の出来事に何が起きたかわからなかったファンもいたようで、称賛の声のほか「自分からコケた?」「何度見てもよくわからない」「え?w」などと困惑の声も相次いだ。
注目を浴びたのは十両十一枚目・安青錦(安治川)。ウクライナ出身力士としては史上2人目となる十両の安青錦は、ロシアによる軍事侵攻から逃れて来日し大相撲の世界へ飛び込んだ期待の20歳だ。身長180センチ・体重125キロと関取としては小柄な部類に入るものの、強靭な足腰と多彩な技を持ち、新十両として臨む今場所では十二日目に豪快な切り返しで相手を土俵に叩きつけるなど、“力と技”の融合で勝ち越しを決めファンを沸かせていた。
十三日目に安青錦が対戦したのはベテラン31歳の十両九枚目・大奄美(追手風)。立ち合い低い姿勢で当たった安青錦は、吸いつくようにまわしをとると、頭をつけて攻めていった。直後、左の下手を掴んだまま右手で大奄美の内ももを払い、鮮やかな”内無双”を決めて勝利した。勝った安青錦は9勝目を挙げ、十両優勝への望みも繋いだ。敗れた大奄美は7敗目を喫した。
安青錦が見事に決めた“内無双”は、日本相撲協会の公式サイトによれば発生割合0.02パーセント、決まり手ランキング52位の珍しい技だ。一瞬の妙技に何が起きたかわからなかったファンもいたようで、視聴者からは「え?w」「何しとん」「自分からコケた?」と困惑気味の声が寄せられたほか、「無双きた」「うますぎ」「転がされた」と称賛するコメントも相次いだ。
十三日目の全取組を終え、十両の優勝争いは十両筆頭・金峰山(木瀬)と十両七枚目・剣翔(追手風)が3敗でトップ。次いで十両十二枚目・栃大海(春日野)と安青錦が4敗で、十両十四枚目・欧勝海(鳴戸)が2敗2休で追いかける展開となった。(ABEMA/大相撲チャンネル)