■総理の振る舞い次第で外交に影響?

麻生氏のこだわり
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 APECでの振る舞いが話題となった石破総理だが、このことをきっかけに9月、茨城・水戸市を訪問した際に、おにぎりを口いっぱい、さらに一口で食べた動画も同時に拡散し、品位やマナーについて疑問視する声がネットを中心に飛び交った。政治ジャーナリスト、元・日テレ官邸キャップの青山和弘氏は「食べ方とかは誰も言わない。それはその人の生き方だし、子どもではない。それはもう石破さんの生き様が表れている」と、食べ方については個性だとした。

 一方で外交時の振る舞いについては「外交での所作は国益に関わることがある。特にああいう国際会議では、初めての総理大臣だから挨拶に回るべきだと思うし、立って握手した方が丁寧だと思う。習近平主席との握手の仕方も、向こうが片手を出していて、こっちが両手で出している。そうすると下手に出ているように見える。そういう写真が切り取られて拡散されて、メッセージになることもある」と、本人にとっては何の気もない振る舞いが、外交に影響する可能性があると指摘した。

 初めて総理大臣になった石破総理に、外交マナーについてのレクチャーや作戦会議などはないのか。「これは自民党の中でも、教えてあげるべきだったという意見が結構ある。ただ、これまで総理大臣になった人、例えば安倍元総理は父も外務大臣で、本人も総理大臣を8年もやっていたから、誰も教えなくてもできた。岸田前総理も外務大臣が長かったからできた。石破さんは総理になるように準備をしてきた人ではないので、そこは抜けていた。官僚も遠慮するし、ベテランの60半ば過ぎの政治家に箸の上げ下げから、挨拶に行ってくれ、握手はこうしてくれとあまり細かく言えなかった。(外交の)経験不足は間違いなく今回露呈した」と述べた。

 コラムニストの河崎環氏は「私たちは今まで2世とか3世など、ある程度帝王学みたいなもので、家庭でしっかりと仕込まれてきた政治家たちが首相になる姿を、近年連続して見てきた。ここから改善されていって、首相らしくなっていかれるのかなというふうには思いたい」と語った。

 総理ともなれば、専属のスタイリストなどがついていても不思議ではなさそうだが、実情はどうか。青山氏は「安倍さんは、2期目は自前のスタイリスト、メイクが一緒についてきていた。おしゃれだというのもあるが、やはり見た目をすごく気にしていた。特に安倍さんは体調を崩されると(目の下に)クマが出てしまうので、隠してもらっていた。総理大臣にクマが出ていて元気がなさそうに見えると、外交上問題になったりとか、国民に不安を与えたりする。(費用は)たぶん党が出していたと思う」。

 同じく総理大臣経験者の麻生太郎氏は、議員の中でもダンディで有名。「スーツ、特にズボンがシワにならないように、足の裾のところに鉛を入れている。ベルトをしないのが彼のポリシーで、ウエストがピッタリのスーツを着るのがかっこいいからで、体型も保っている。かなり自意識過剰ぐらいだが、それが外交上の武器になるという発想だった。それによって敬意を払われることもあるし、なんと言っても吉田茂さんの孫で意識は高い」と紹介した。

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