地域の特産物や工芸品などの返礼品が人気のふるさと納税。いま、自治体の間で注目されているのが、在留外国人の利用拡大だ。
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北海道の洞爺湖町では、およそ50か所の宿泊や飲食などで使えるチケットが返礼品として用意されており、道内で働く中国出身の男性が地域の魅力を解説する動画を日本に住む外国人に向けて発信している。
洞爺湖町役場 田仲佑多さんは「在留外国人は約300万人おり特に中国人やアジア圏の人たちが多いが、ほとんどの中国人の方は制度を理解していない。そこで動画を作ってPRをしようと考えた」と話す。
ふるさと納税は地方で生まれ育ち都会に出た人が税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みとして誕生したが、日本人だけでなく国内で納税していれば国籍問わず利用できる。しかし、ふるさと納税を利用する在留外国人は少なく、制度が知られていないのが現状だ。
洞爺湖町は利用者層の拡大を狙ったPRを開始し、今年は在留外国人とみられる利用者が去年よりも増加している。
在留外国人に向けた複雑な制度の周知が課題となる中、英語のサイトも徐々に立ち上がり始めている。その先駆け的な存在が、2022年からサービスを開始した「ふるさとジャパン」だ。
広葉樹の植林体験や漆塗り体験が好評
運営する株式会社ラグジュリーク 眞野ナオミ代表取締役は「日本に住んでいる海外の企業経営陣やマネジメントの高所得者は2〜3年周期で本国に帰るためふるさと納税を知らないことが多い。多額の税金を払っているのに、それを何に活用すればよいか、会社がカバーしていたり税金の申請などをしているのでよく理解していないことが多い」と話す。
国内では海鮮、肉、米などの特産品が人気だが、ふるさとジャパンは「伝統」や「体験」に着目した返礼品を用意している。
「外国人が大量のお米や和牛を大量に欲しがるとは考えにくい。限られた期間日本にいる間に、日本の普段知りえないことを体験したいという声が多い。弊社も自治体を増やし、コンテンツを提供することに注力したい」(眞野代表)
好評なのは広葉樹の植林体験や古民家での生活、漆塗り体験など、日本古来の伝統や職人技に触れられるプラン。眞野代表は、短い在留期間で日本の魅力を深く知ってもらうための企画を考えていきたいと話している。
「ふるさと納税は日本人向けでも十数年かかってこの状態だが、外国人はもっと知らない。税金を納税してよかったと思ってもらえるよう、ウェビナーの開催などが今後の課題だ」(眞野代表)
ヨーロッパにもふるさと納税はある?
ふるさと納税についてTrusted CEOのファリザ・アビドヴァ氏は「このようなユニークな制度を私は見たことがない」と評し、ヨーロッパに実情を語った。
「ヨーロッパでは国から教会に税金の0.8%〜1%が流れ、そこから社会で困っている家族などに寄付という形でお金が届けられる制度がある。(日本のように)税金を納めている人たちがどこにお金が届けられるのか選ぶこともできるようだが、本当に困っている人たちにお金が流れているかどうかは不明であり、あまり積極的に参加されていない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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