揺れる与那国島、住民の願い
与那国島の住民
住民たちは、これから与那国島をどんな島にしていきたいと願うのか。
「人がまだ少ないので多い島にして、観光客がいっぱい来られるようにしたい」「自治への思いが強く、たくましい島なので、与那国らしさが保たれたまま人が住める場所であってほしい」「海も山もすぐ行ける。夏も朝、夕方と子どもたちと泳いでいる。本当に贅沢です。子育てには最高だと思うが、やはり医療ですね。子どもたちが帰って来たいと思える島を作らないといけない」(住民の声)
国防という大義名分に翻ろうされ続けてきた与那国島。そこに住む人々は、島の未来への思いを今も持ち続けている。
糸数氏は「この島が無人島にならずに我々が住むことがものすごく大きなこと。政府関係者にも自衛隊の増強だけじゃ駄目だと申し上げている。自衛官だけの島にしては駄目ですよと」とバランスの必要性を求めた。
一方で田里氏は「今だけの問題じゃない。これから先、子ども、孫たちのために、今平和を守らないといけない。国に対してブレーキをかけないといけない。これからも強く、訴えていきたい」と自身の思いを語った。
かつて、町民皆でまいた自立の種は、島の大地で今も芽吹くのを待っている。住民の願いが国策に押しつぶされる不条理は、この地だけで起きることではない。
(琉球朝日放送制作 テレメンタリー『潰された自立~与那国島と自衛隊配備』より)
地上波初放送日:2024年2月24日