■日本では限定的“おとり捜査”の是非
日本の通信傍受は、対象犯罪が限定的で、期間も原則10日以内になっている。しかし諸外国を見ると、アメリカは対象が幅広く30日以内、イギリスは対象が中間的で3カ月間、ドイツも中間的で3カ月以内。おとり捜査も、日本では限定的だが、米英独では可能だ。
ひろゆき氏は「何をもって“おとり捜査”なのかを明文化できないと、犯罪者を増やすだけだ」と警鐘を鳴らす。「『銀行口座を売って』と募集があり、応募者が逮捕されても、本当に悪用しようとしている人は捕まらない。『どうすれば上層部を捕まえられるのか』を文言にできるかが課題だ」。
おとり捜査の現状について、星氏は“泳がせ捜査”が中心となっているとして、「あえてその場で捕まえず、少し犯罪が進んだ段階で捕まえる。警察官が身分を秘匿して、闇バイトに応募した際に、偽のIDを渡すと、今は“文書偽造罪”になりかねない。細部を整備しないと、潜入捜査は難しい」と説明する。
夏野氏は「他の先進国レベルにしないと、日本だけが狙われる可能性も高くなる。犯罪者は一番弱い所へ行く」と気をもむ。「警察は日本国内の犯罪者は検挙できるが、海外、特にサイバー攻撃では、ほぼ犯人に行き着けず、検挙もできない。インターポール(国際刑事警察機構)が機能しないとダメだ」。
ひろゆき氏は「おとり捜査で『警察官が犯罪をしてもいい』と認められれば、犯罪組織の上層部に近づけるのではないか」と推測する。これに星氏は「犯罪に直接手を染めるのは抵抗感が強いが、状況証拠を集める段階ならば、工夫によって現状でもできる」と返す。「どこまでやる必要があるかにもよるが、『警察が運び屋もやらないとダメだ』となれば、法整備で対応する可能性もある」。
(『ABEMA Prime』より)


